新しい画質モード「ディレクターモード」は、マスターモニターの絵作りの考え方にならい、入力された映像信号を忠実に再現するというものだ。「これまで、マスターモニターの絵作りを大型ディスプレイで再現することはできなかった。黒を沈めたパネルと、他社にはまねできない駆動技術を得て開発された“技術者こん身の映像モード”」(西尾氏)。
通常のテレビでは、明るい部屋でも見やすいように輝度を上げたり、エッジを強調したりする傾向があるが、ディレクターモードでは階調表現を優先して輝度や色温度はかなり低め。このため、オススメの視聴環境は「照明オフ」(真っ暗)というマニア向けの設定だ。
豊富な画質調整メニューも特徴の1つ。例えばガンマは5ステップ(従来は3ステップ)、ブライトネスやカラーなどは120ステップ(従来は60ステップ)の調整が可能になっている。さらにカラー/ティントの正確な調整を行うための「ブルーオンリー」機能など、プロの制作現場で使用されている機能も盛り込んだ。リモコンのボタン1つで調整前後の映像を切り替える「Before/After」機能を使えば、調整の効果を確認できる。
「ディレクターモードは、ユーザーがディレクターとなって、好みの色や映像に調整するためのベースになるもの。また、プロの制作現場でも“大型テレビで視聴するときのイメージ”をつかむために利用できる」。
Webコントロール機能とメール送信機能も新しい。KRP-600MにはWebサーバ機能が搭載され、PCのWebブラウザでアクセスが可能だ。電源オンからスタンバイ、入力切り替え、ユーザーメニューなど、ほとんどの操作をネットワーク経由で実行できる。
一方のE-mail送信機能は、トラブル発生や時間など、あらかじめ設定したイベントをトリガーにしてメールを自動送信する仕組み。どちらもホームネットワークやインストレーションを考慮した機能だ。
PDP-6010/5010から搭載された「リビングモード」も進化した。従来よりもドラマや音楽といった番組のカテゴリを細分化。それぞれのコンテンツに合わせた画質に自動調整する。また画面全体ではなく、分割した個々のエリアを参照する画面分割センシングによって判別精度を向上させたという。ジャンルごとの視聴頻度をカウントしてユーザーの趣向を学習する機能も備えた。
インテリジェントシステムには「ホワイトバランス補正機能」が追加された。例えばビデオカメラで撮影した映像を大画面テレビに映すと色味が変わってしまうことがあるが、被写体のホワイトバランスを調整することで撮影時の印象に近い映像を再現するという。
インタフェース類はすべて背面にある。HDMI×2、DVI-D×1、コンポーネント×1、ビデオ入力×1、D-Sub 15ピン×1の6系統。もちろんHDMI端子は「KURO LINK」に対応している。音声入力としてRCA/ステレオミニジャックの2系統を備える。
このほかオプションとして、スピーカーシステム「KRP-S02」(2本1組、オープン価格)やテーブルトップスタンド「KRP-TS01」(5万1000円)、壁掛け金具「KRP-WM01」(4万2000円)などが用意される。なおパイオニアでは、今年の年末に向けて50V型モニター「KRP-500M」の発売も予定しているという。
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