姿勢がよくないと手ブレしやすくなる。
等倍で見ると分かる程度のブレであっても、誰でも簡単に拡大して見られる時代だからしょうがない。だから手ブレ補正機構が求められるようになってきたのだね。
カメラの世界では一般に手ブレ限界として1/(焦点距離)秒のシャッタースピードが目安といわれてきた。50ミリのレンズなら1/50秒より遅いときは手ブレの心配をしましょう、というわけだ。この目安は35ミリフィルムの場合。APS-Cサイズのデジタル一眼レフだと、約1.5倍になるから50ミリのレンズを付けた場合、1/75秒が目安となる。あくまでも単なる目安で個人差は山ほどあるけれど。
これが300ミリの望遠レンズになると、450ミリ相当と考えていいので、1/450秒である。よほどの快晴下でない限り、ISO感度をかなり上げないと難しいスピードだ。
レンズが望遠になればなるほど、わずかなブレが記録されやすくなるからだ。
そういうわけで、新しくデジタル一眼レフに挑戦するなら「手ブレ補正」は欠かせないと思っていい。これがあるかないかで全然違う。
ソニーやペンタックスはボディ内に手ブレ補正機構を搭載しているし、キヤノンやニコンは以前から手ブレ補正機構内蔵レンズを出してきたこともあってレンズ側で手ブレ補正を行う。
手ブレ補正機構の宣伝文句を見ると、必ず補正の能力を示すものとして「3段分」や「4段分」という表現が出てくる。
カメラの世界で「1段」というのは2倍を表すと思っていい。よって、450ミリ相当のレンズなら、手ブレ限界が1/500秒と考えると、1段分で1/250秒、2段分で1/125秒であるから、「3段分の補正」が効く場合、1/60秒で撮ってもなんとかしましょう、って意味になる。すごい違いでしょ。
もちろん個人差は大きいし、手ブレ補正があるからといって気を抜いてはダメだが、感覚としては「シャッタースピードが遅くても手ブレしない写真が撮れる確率がぐんと高くなります」くらいの効果が体感できる。
ちなみに、広角レンズの場合はあまり当てはまらない。28ミリ相当のレンズの場合、上記の目安で行くと1/28秒、これが3段分となるとざっと1/4秒である。このくらい遅くなると、ゆっくりした大きなブレが加わってくるから、補正可能範囲を超えちゃうことがあるのだ。まあ広角レンズで手持ちでブレずに撮れるのは(上手い人は別にして)1/8秒くらいまでと思っておくといいかも。
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