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豊富な機能を備えた高級コンパクトデジカメ――リコー「GX200」レビュー(1/5 ページ)

» 2008年07月25日 10時00分 公開
[小山安博,ITmedia]

 リコーのコンパクトデジタルカメラ「GX200」が登場した。同社の高級コンパクト「GR」シリーズに比べると、「GX」シリーズは光学3倍ズームなどでより一般向けのカメラという印象が強いが、その実力はいかに。

photo 豊富な機能とカメラらしい外観の「GX200」

高度なマニュアル撮影が可能

 GX200は、2007年4月発売の「Caplio GX100」の後継モデル。デザインにほとんど変化はないが、フラッシュカバーの「CAPLIO」ロゴが「RICOH」ロゴに変更され、リングキャップがブラックに変更されている。

photophoto 本体前面。シンプルな外観で、大きめのグリップが持ちやすさに貢献している。レンズは沈胴式の光学3倍ズーム

 本体上部はまったく同じだが、モードダイヤルにアルミが使われ、質感が向上している。背面のボタンレイアウトも同じだが、割り当てられた機能が一部変更された。十字キー右のフラッシュ、下のマクロは変わっていないが、左のクイックレビューが「Fn2」に、上のモード切り替えが「割り当てなし」に変更された。

photophoto 本体上部。ボタン配置などは特に変化なし。Fnボタンが背面にも新設されたため、左肩のボタンが「Fn1」になっている(写真=左)液晶モニターは2.5型約23万画素から2.7型約46万画素になった。サイズはわずかに大型化されただけだが、より高精細になった。視野角は上下左右160度(写真=右)

 十字キー上に機能が割り当てられていないのはちょっと疑問だが、GX100ではすぐ上に再生ボタンがあってほとんど意味がなかった左ボタンのクイックビューがFn2に変更されたのはうれしい変更点だ。

 このFn2にはAF/MFの切り替えやAEロック、JPEG/RAWの切り替え、露出補正、フォーカス、画像設定などさまざまな機能の中から1つ選んで割り当てられる。本体上部左側にはFn1ボタンもあり、こちらにも任意の機能を割り当てられる。

photophotophoto 2つのFnボタンにはさまざまな機能を割り当てられる。ADJ.レバーのカスタマイズも含めて、自分の使いやすいように設定を変更できる。例えば露出補正やISO感度の変更をよく使うなら、ADJ.レバーを使うよりもFnボタン1ボタンで変更できた方が早い(写真=左、中)、ADJ.レバーを押し込むことで露出補正などのよく使う項目が表示される。ADJ.レバー(または左右キー)で項目の移動、上下キーで設定の変更が行える。5番目にあるのが測距点の移動機能(写真=右)

 操作性の肝となるのは、リコー伝統のADJ.レバー。これは本製品も健在で、背面のダイヤル風のレバーを押し込むと露出補正やホワイトバランス、ISO感度、画質(以上はデフォルト設定時)の設定が素早く行える。いずれもカスタマイズ可能で、さまざまな機能を割り当てできる。

photophoto 測距点の移動では単にAF測距点を移動するだけでなく、スポット測光として露出を制御することもできる

 通常は多点測距でAFを行い、ピントが合いにくい被写体などではAF測距点を動かしてAFを行える。AFとAEを分けたい時にも使えてこれは便利。

 相変わらずの高度な撮影機能は健在。モードダイヤルにはP/A/Mのマニュアル撮影モードを備えており、A/Mモード時はシャッターボタン前方にある「アップダウンダイヤル」で絞り値を変更、Mモード時は背面のADJ.レバーでシャッタースピードを変更する。

 ADJ.レバーはGX100と同様、形状はダイヤル風ながら回転はせず、左右に倒すことしかできない。素早く値を変えたい場合は倒しっぱなしにする。

 MモードではADJ.レバーを押し込んだ時にも、当然ながら露出補正は表示されなくなる。ADJ.レバーを倒すとダイレクトにシャッタースピードが変更されるのだが、ほかのモードでは、通常時にADJ.レバーを左右に倒しても何も起きない。個人的には、P/AモードでもADJ.レバーを左右に倒すとすぐに露出補正ができると良かったと思う。

 ズームは背面のズームレバーを親指で倒すタイプ。片手で構えていると少々不安定だが、特に使いにくくも使いやすくもないという印象。従来通りオプションでステップズームも設定可能で、これはきりのいいズーム域で撮影したい場合(こういうレビュー撮影の時とか)に便利ではある。

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