日本ビクターは9月25日、D-ILAプロジェクターの新ラインアップとして、「DLA-HD750」および「DLA-HD350」の2機種を発表した。DLA-HD750は、ネイティブコントラスト5万:1を実現した“プレミアムモデル”。下位機種のDLA-HD350も、現在のフラグシップモデル「DLA-HD100」に匹敵する3万:1となっている。
型番 | 価格 | カラー | 発売時期 |
---|---|---|---|
DLA-HD750 | 73万5000円 | ブラック | 12月上旬 |
DLA-HD350 | 52万5000円 | ブラック、ホワイト | 11月上旬 |
0.7型のフルハイビジョンD-ILA(Direct-Drive Image Light Amplifier)デバイスやWire Grid光学エンジンなど、ベースになる部分の多くをDLA-HD100から継承。ただし従来はL字型だった光学系をストレート構造に変更したことで、ボディサイズを365(幅)×165(高さ)×478(奥行き)ミリと大幅にスリム化した。
L字型では必須だったミラーを省略できたことで光のロスを低減。高効率のランプとあわせ、DLA-HD750で1000ルーメン、DLA-HD350は900ルーメンと輝度を向上させた。同社によると、間接照明がある部屋でも実用的な明るさで投映できるという。
新しい機能としては、まず固定のレンズアパーチャー(絞り)を搭載したことが挙げられる。もっとも、目的はダイナミックコントラストの数値を引き上げることではなく、任意に明るさを調整すること。「例えば80型クラスのスクリーンを使用している環境では、画面が明るすぎるという意見があった。DLA-HD750では16段階、HD350では3段階で任意の明るさ調整が可能になった」。また、レンズ内で発生する“迷光”など不要な光を排除することでコントラスト低下の要因を排除する効果もある。
もう1つの新機能が、DLA-HD750だけに搭載された「カラーマネジメント」だ。R/G/B/C/M/Yをそれぞれに対し、独立した形で「色相」「彩度」「明度」の調整が可能。ユーザーはカスタム設定を3つまで保存できる。調整前と調整後をワンタッチで比較する機能も備えた。なお、ガンマカーブの設定についても、DLA-HD100では1つだったユーザーメモリを3つに増やした。
カラーマネジメント機能を利用したユニークな試みが新しいシネマモードだ。「本当にフィルム上映に近いシネマモードを作る」ことを目指し、キセノンランプの色温度5500ケルビンで自然な発色になるよう、カラーやガンマカーブを追い込んだ。「ユーザーによっては好き嫌いがあるかもしれないが、カラーマネジメントを利用した新しい提案と考えてほしい」。
2系統のHDMI端子は、1080/24p入力やDeep Colorをサポート。また新たにHDMI CECを利用して、BDプレーヤーなどの再生機器の電源動作に連動する「ワンタッチプレイ」「システムスタンバイ」といった連携動作を可能にしている。そのほかの入力端子は、コンポーネント×1、S端子×1、コンポジット×1。DLA-HD750にはD-Sub 15ピンや電動スクリーンなどを本体の電源に連動させることができるトリガー端子(ミニジャック)も備えている。
このほか、市販のアナモフィックレンズを使って上下に黒帯の出ない映像を楽しめる「Vストレッチモード」、上下80%、左右34%の電動式レンズシフト機構、電動スライドレンズカバーなどが特徴。なお、DLA-HD750に関しては「THXディスプレイ規格」認証を取得する予定だ。
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