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“Blu-ray内蔵”が「AQUOS」にもたらしたもの(2/3 ページ)

» 2008年11月12日 12時58分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 機械に弱い女性層やお年寄りまでをターゲットにした製品だけに、操作性に関しては極力簡潔で、不満を感じさせないようにした。チャンネル変更時に画面がワイプなどのエフェクトを伴って切り替わる機能を新搭載したのも同じ理由だ。「以前より早くなったとはいえ、デジタル放送のチャンネル切替はアナログ放送に比べて遅い。DXシリーズは従来機と比較して少し早い程度だが、このエフェクトがあると数値以上に早く感じる。タイムラグが気にならない」。

photo チャンネル変更時には、画面がワイプして切り替わる。放送波ごとに異なる効果を設定できる。なお、DXシリーズでは、デジタル3波対応チューナーを2基搭載しているため録画中も裏番組を視聴できるが、2番組同時録画はできない

 そうした設計思想は、録画機能にも見て取れる。例えば録画予約は電子番組表を基本とし、番組を選んでリモコンの「決定」ボタンを押すだけでいい。一般的なレコーダーなら、決定ボタンを押すと番組の詳細情報画面か、あるいは詳細設定画面でワンクッションおいてから確定する場面だが、「予約するたびに設定を変更する人は少ない」という判断だ。レコーダーの操作に慣れている人は一瞬とまどうかもしれないが、言われてみれば確かに毎回設定を変更するという人は少数派だろう。

photophoto 電子番組表(左)とBDの録画番組一覧(右)

 逆に録画モードの変更などを行いたい場合は、もう1度番組表の当該番組か、画面左側の予約一覧を選択して設定画面を呼び出す。ここでプルダウンメニューを使い、録画モードや繰り返し録画などの設定を変更可能だ。AQUOSファミリンク対応のレコーダーを外付けしている場合は、録画先としてファミリンク対応レコーダーもリストアップされる。

photo 設定画面。プルダウンメニューで録画設定を変更できる

 番組表では、左側4分の1を使って予約リストを表示する。予約リストはタブ形式になっており、4予約×4ページの計16が予約件数の最大値。リスト上で録画モードやメディア残量が確認できるのは一覧性が高く、分かりやすい。反面、番組表そのものの情報量はさほど多くないが、詳細番組情報の一部が表示されていたり、特定ジャンルの番組に色つきのアイコンを設定する機能など、見やすさ重視の機能は備えている。

 録画モードは、放送波のストリームをそのまま記録するTSに加え、MPEG-4 AVCトランスコーダーによる2倍、3倍、5倍録画の4モードをサポート。2層BDメディアを使用すれば、5倍モードで21時間を超える録画が可能になる。デフォルト設定が5倍になっているあたりはHDDを搭載しないBDレコーダーならではといえるだろう。

 録画解像度はいずれも1920×1080ピクセルで、ビットレートはそれぞれ 約12Mbps(2倍モード)、8Mbps(3倍モード)、約4.8Mbps(5倍モード)。音声はAACのままで、3倍モードまではデータ放送の情報も記録されるが、5倍モードではデータ放送の情報を削除してメディア容量を節約する仕組みになっている。

 なお、繰り返し録画を行う際は、1つ気をつけなければならないことがある。例えば毎週月曜日の午後9時に始まる1時間のドラマを録画するとき。直接番組表で予約した初回は一般的なレコーダーと同じように野球放送の延長などがあっても追従録画してくれるが、次回以降は追従しない。これは、番組表を毎回検索するのではなく、月曜日の“午後9時から10時まで”という時間録画に切り替わるため。この点はユーザーが注意しておく必要がある。

 またHDDを搭載していないこともあり、編集機能に関しては完全に割り切った仕様だ。カット編集やプレイリスト編集といった機能は持たず、チャプター機能も5分、10分など設定した時間ごとに自動チャプターを設定する機能だけ。任意の場所にチャプターを打つことはできない。キレイにCMをカットしてアーカイブしたい人には向かないだろう。ただ、多くの人はリモコンの「30秒スキップ」および「10秒戻し」のボタンで再生時にポンポンと飛ばしていけば事足りるはずだ。

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