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第107回 ロードレースとスピード感の関係今日から始めるデジカメ撮影術(1/4 ページ)

» 2008年11月13日 08時30分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 秋である。スポーツ写真である。たまにはプロスポーツの写真を撮ってみよう、ということで宇都宮まで行ってきた。「2008 ジャパンカップ サイクルロードレース」である。自転車ロードレース。マイナーですみません。

 日本では「ツール・ド・フランス」くらいしか知られてないけれども、日本で最もランクの高いレースが宇都宮で行われる「ジャパンカップ」なのである。

 「ジャパンカップ」は世界的にはマイナーなレースなので世界のトップチームがこぞって来日ってことはないけれども、今年はランプレのクネゴ、クイックステップのヴィスコンティ、ブイグテレコムのヴォクレールと有名どころが参加し、さらにドーピング事件で2年間の競技停止処分をうけたバッソがリクイガスに移籍して復帰第一戦を飾るという話題性も十分。

レース前のバッソ
レース前にステージ上でインタビューを受けるクネゴ

 自転車ロードレースは遠くから迫ってくる選手を望遠で撮る、目の前を駆け抜ける選手を流し撮りする、と2種類の撮影が楽しめるし、観戦に関しては非常におおらかで基本的にスタート・ゴール前以外は好きな場所で好きなように撮れる。レース中の移動も(選手やスタッフの邪魔にさえならなければ)自由なので、カメラを持って遊びに行くのは最適なのだ。

 その上走っているすぐ横(それこそ1メートルくらいの距離)で観戦できるので、スピード感も迫力もあるし自転車もジャージもカラフルだし、山の中の公園で行われるので背景もきれい(今回は残念ながら曇天だったけど)で、会場全体がお祭りになる。

 場所は宇都宮森林公園を中心とする1周14.1キロの周回コースを11周(最終周はショートカットして10.3キロ)。つまり観戦にいけば同じ選手を11回は見られるわけだ。

 今回はスタート地点から最高到達点である頂上までの2キロの間を移動しながら撮って回ることにした。

 本格的に撮るなら、広角系ズームレンズをつけたデジタル一眼レフと、望遠レンズをつけたデジタル一眼レフの2台が必要だが、それでは「撮影術」にならないので、できるだけ一般的な機材ということで、使ったカメラはニコンの「D90」だけ。さすがにエントリークラスの一眼レフではAF性能や連写性能がキツいし、ハイエンドクラスのプロ向け一眼レフでは一般性に欠けるので、間を取って「お手頃中級一眼レフ」の登場である。

 使ったレンズはメインが「70-300mm」。より望遠で撮りたくなったら最初に欲しくなるレンズといっていいだろう。価格も手ごろだ。さらに標準ズームの「18-55mm」と、超広角の「12-24mm」を用意した。

 テーマは「遠くから迫ってくる選手を望遠で撮る」と「目の前を通り過ぎる選手たちを流し撮り」である。

 ではスタートだ。


 とにかくスタート地点は観客が山ほどいるので場所取りが大変。ちゃんと撮るなら早い時間からいい場所を取っておくべし。D90をライブビューモードにして、カメラを高く上げての撮影である。

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