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第107回 ロードレースとスピード感の関係今日から始めるデジカメ撮影術(3/4 ページ)

» 2008年11月13日 08時30分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

流し撮りに挑戦すべし

 高速で走る自転車……となるとやってみたいのが流し撮りである。

 流し撮りといってもそんなにシャッタースピードを落とさなくてもOK。何しろ相手が速いのだから1/100秒でも十分である。ISO感度を落とし、それでも足りなければちょっと絞りを絞ってやり、シャッタースピードを1/50〜1/100秒前後にする。あまりに遅いと撮影が難しいし、速いときれいに流れない。

1/200秒でもこんなに被写体ブレしちゃう(写真=左)、1/50秒で広角で流し撮りすると大迫力(写真=右)

 実は、これは失敗した流し撮り。流し撮りで重要なのは、被写体の動きに合わせてカメラを動かすこと。なのにこの写真は背景がまっすぐに流れてない。この場合、道路と平行に(斜面なので少し斜めに)背景が流れないといけないのに、背景が弧を描いている。これはカメラの動かし方が悪いからである。

 流し撮りはカメラを動かすのではなく、カメラと顔の位置は固定で、腰を回すのが基本。この場合はしゃがんだ状態で流し撮りしたこともあって腰が回ってないのだね。失敗。

 そこでリベンジ。上り坂でこちらに向かってくる選手たちを流し撮りしてみた。

迫ってくるシーンを先頭の選手に合わせて流し撮り(写真=左)、真横からびしっと流し撮り(写真=右)

 車輪や足は動いているが顔と胴体が止まっている。こんな風になるとOK。

 写っているのはスキルシマノの野寺選手。白地に日の丸の日本チャンピオンジャージを着てる上に終盤まで先頭をひっぱってて目立ってたのでたくさん撮ってしまった。

流し撮りは立ったままの方が撮りやすい。腰を回しやすいからだ

 こちらはスピードが出るゆるやかなコーナーで加速中の図。背景のみならず自転車や後ろの選手もブレているけど身体と顔はぴたっと止まっているとよりメインの被写体が目立っていい。

 流し撮りは難しいので連写で何枚も撮るが、最初の数枚は捨てカット。腰の回しはじめはまだスピードに乗ってないから。回しながら速度を合わし、ちょうど目の前にきたとき合うことを期待して撮る。すると1〜2枚目はだめでも3〜4枚目くらいでピシッと合う。それでよい。

この時点では速度が合ってなくても(写真=左)、肝心なときピタっと合えばOK(写真=右)

 これは今回が復帰後初レースになるリクイガスのバッソ。中望遠で流し撮り。うまく顔のアップが撮れた。

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