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デジ一眼ライクな本格派――キヤノン「Powershot SX10 IS」レビュー(3/6 ページ)

» 2008年11月17日 08時30分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

マニュアル指向機だけあって機能は豊富

撮影時の画面。ガイドラインやヒストグラム表示はオンオフできるなど細かなカスタマイズが可能。これはできるだけ多くの情報を表示した状態

 基本性能や機能は前述したISO感度やAF機能を含めてDIGIC4を搭載したキヤノンの秋モデル共通仕様だ。各種ISO感度コントロール、顔認識機能、暗部補正機能、豊富なシーンモードなどなどが搭載されている。

 暗部補正は結構強力で、暗部をかなり持ち上げてくれる。露出補正をマイナスにして暗部補正を使えば、擬似的にダイナミックレンジが広げた撮影も可能だ。逆に暗部をぎゅっと締めたいときはオフにすべし。

露出補正は露出補正ボタンを押したあとでコントローラーホイールを回して行う。もうちょっとホイールの反応がはっきりしているとうれしい(写真=左)。ISO感度はISOボタンを押してコントローラーホイール。高感度オート時はモーションキャッチテクノロジーが働くので、普段はこれにしておくと便利(ただし、簡単に感度が上がるので注意)(写真=右)

 「全部入り」モデルだけあり、マニュアル撮影機能も充実。絞り優先やシャッタースピード優先AE、マニュアル露出も可能。マニュアルフォーカスにも対応している。細かいパラメータ変更は十字キーの周りにあるコントローラーホイールを使う。これを回すことで露出補正やISO感度変更が手早く行える。

 ただ、SX10 ISのホイールは「IXY Digital 3000 IS」などと同じクリック感がないタイプ。誤操作を防ぐためか、回してからそれが反映されるまでちょっと間がある。ひと目盛だけ動かしたいとき(1/3段だけ補正したいとか)は、補正しそこねたり、しすぎたりしちゃう。ハイエンドモデルの「Powershot G10」はクリック感のあるホイールで1クリック分回すとちゃんと反応してくれるので、S10ISでもそっちを採用して欲しかったなあと思う。

十字キー中央のFUNC.ボタンを押すとFUNCメニューになり、画像サイズやマイカラー、ホワイトバランスなどをセットできる(写真=左)。撮影メニューは右に見えているスクロールバーを見ると分かるように何ページにも渡っていて結構細かい(写真=右)

 で、SX10 ISは細かい機能が実に多い。そのほとんどは手軽にアクセスできるFUNC.メニューではなく、MENUキーを押す撮影メニューに入っている。毎回そこにアクセスするのはちょっと難儀。

 そこで「マイメニュー」が用意された。よく使う機能を5つまで登録できる機能ですごく便利。これと、イージーダイレクトボタンへのショートカットを組み合わせれば、手早く好きな設定に切り替えることが可能だ。

マイメニューに5つまで好きな項目を登録できるので、AF系などよくいじるものを登録すると便利。MENUキーは最後に使ったメニューを表示してくれるので、一度マイメニューを使うと次回もすぐアクセスできて便利(写真=左)。左上にあるダイレクトプリントボタンにはショートカットを登録できる。この10個から選ぶことが可能だ(写真=右)

 いかに自分が使いやすいようカスタマイズするかがSX10 ISを快適に使えるか否かの分かれ目になるだろう。個人的にはショートカットには暗部補正を割り当てるといいかと思う。

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