SX10 ISはこれ1台あればたいていの撮影はこなしてくれるので、旅行でもスポーツでもネイチャー系でもスナップでも何にでも使える便利なカメラである。28ミリから560ミリというのはやはり超強力だ。ただ、他社の18倍や20倍ズーム機に比べるとちょっとでかくて重い。
じゃああえてSX10 ISを選ぶポイントはというと、可動式の液晶モニターと単三形電池4本駆動、それに優れた動画機能じゃないかと思う。
2.5インチのバリアングルモニターはモニターを見ながらローアングルやハイアングル撮影をするのにすごく便利だし、縦位置のローアングル撮影も得意。EVFもなかなか大きくて見やすいので、アイレベルで撮影するときはEVFで、気楽に撮りたいときやハイ/ローアングルで撮りたいときは液晶モニターと使い分けられる。これはよい。
バッテリーはニッケル水素充電池がおすすめ。4本使っているだけあってもちもいいし、汎用性が高いので予備の入手も容易だ。最近はエネループであれば取り扱っている店も多いので、アルカリ乾電池を無駄に消費することもなくなるだろう。
動画はS5 ISに続いて「ステレオマイク」と動画専用ボタンを装備。背面の動画ボタンを押せばいつでもすぐ動画撮影がはじまるし、今回のモデルから動画フォーマットがH.264になり、MotionJPEGだった前モデルより同容量で長時間の録画が可能になった。気軽に望遠動画を撮りたい人にもいい。本格的に撮るならこのくらいのスペックは欲しいところだ。これはよい。
一眼レフまでは手を出せないけど、本格派っぽい、その上広角から超望遠まで撮れてなおかつ動画もOKな便利な1台が欲しい、というニーズにぴったりである。
最後に悩むのは、2008年12月に登場する予定の「PowerShot SX1 IS」(以下、SX1 IS)とどちらにするか、ということ。SX1ISは撮像素子に新開発のCMOSセンサーを搭載しておりフルHD動画を撮影可能だが、価格はSX10 ISよりちょっと高くなる。
動画はVGAでOK、それよりコストパフォーマンスを、というひとはSX10 ISで決まりだろう。デジカメでもHD動画を撮りたい人や新しもの好き、って人はSX1 ISの登場を待って悩むのもいいかも。
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