ペンタックスのデジタル一眼「K」シリーズの最新作として「K-m」が登場した。シリーズのローエンドに位置し、手軽に持ち運べるコンパクトボディが特徴だ。ボディの横幅(122.5ミリ)はデジタル一眼レフでは最も短く、ボディ全体のサイズ(122.5×91.5×67.5ミリ 幅×高さ×奥行き)はAPS-Cフィルムサイズの撮像素子を持つ製品中で世界最小を誇る。
K-mが狙うターゲットはデジタル一眼レフのビギナー層だ。製品カタログには「ママ想いの世界最小」で「ママにやさしいカメラ」というキャッチコピーが記され、ビギナーの中でも特に女性層にアピールしている。
これまで使っていたコンパクトデジカメよりも、もっときれいな写真が撮りたい、デジタル一眼レフを体験してみたい。かといって大きくて重いカメラは持ちたくないし、難しそうで扱いに自信がない。そんなママに向けた「K-ママ」または「K-ミニ」なのである。
“ママカメラ”とはいえ、実はもう1つ、隠れたターゲットユーザーとして中級以上の写真愛好家層も想定できる。小型軽量ボディがサブカメラに最適だからだ。機能は本格志向とはいえないし、連写やAFなどのレスポンスが圧倒的に速いわけでもない。だが、凝った撮影用としてほかのデジタル一眼レフを使っているユーザーが、ちょっとしたスナップを撮るためのカメラとして好適だ。
ペンタックスには、「パンケーキ」と呼ばれる薄型軽量の単焦点レンズや、「レンズの味」を追求したLimitedレンズなどこだわりの交換レンズ群がある。K-mの小型ボディは、これらのパンケーキや小型の単焦点レンズにぴったり似合うし、ボディ内手ブレ補正も機能する。
仮にメインのシステムが他社マウントのユーザーであっても、個性的なペンタックスレンズを使ってみたいと感じる人はいるはずだ。ついでに言うと、K-mの電源は単三形乾電池4本なので、既に他社製充電池/充電器をそろえている人が、さらに別のバッテリーシステムを追加する必要はない。「K200D」など従来のペンタックスユーザーが買い増しや買い替えの候補になることは言うまでもないが、他社ユーザーにとっても食指が動く、魅力的な小型ボディだと思う。
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