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AV機器としてのコダワリに満ちたBDレコーダー、パイオニア「BDR-WD900」BD/DVDレコーダー特集(4/6 ページ)

» 2008年11月21日 12時23分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 一方のデメリットは、予約録画以外でダブルチューナーの機能を活用できない点だ。例えば「裏録」でない録画の実行中は録画中のチャンネルしか視聴できない。例えば視聴中の番組を手動録画しておき、別の気になる番組を視聴するということもできない。もちろん番組視聴にはテレビのチューナーを使えば良い訳だが、普段レコーダーをチューナー代わりに使うという人には向かない面もある。

 録画で気になるのは、毎週などの繰り返し予約録画だ。放送時間の延長には対応するが、放送時間のズレには対応しない。21時以降の連ドラではめったにないが、バラエティ番組などでは番組改変期に通常20時からの番組を19時からの特番として放送したりすることがよくあるし、深夜アニメなどは結構放送時間の変動が大きい。同機の場合、録画時に設定された録画開始時間の番組情報を参照して番組終了まで録画するロジックのようで、番組名などで追従は行わないからだろう。単発の録画予約の場合には放送時間の遅れにも対応するようだが、ソニーや東芝のように高度な番組追従機能を持った製品から買い替える場合には注意する必要がある。

BD優先仕様、予約実行もできるダビング機能

 ダビングは、TS、MPEG-4/AVC、VR(SD解像度)のいずれの画質の録画番組もBDメディアへ無劣化の高速ダビングが可能で、DVDメディアへは常に再エンコードしながらの実時間ダビングになる。ソニー製品と同じくBDへのダビングを優先した仕様だが、デジタル放送の録画を前提に今のBDメディアの価格まで考えると、悪くない選択といえる。メーカー色と製品の位置づけを考えれば妥当な判断だろう。

 ダビングはHDDからDVDへの一方通行で、BD/DVDメディアからHDDへのダビングはサポートしない。もっともコピーコントロールされた録画番組は現状ではBD/DVDメディアからのダビングは不可能なので、デメリットはそう大きくないはずだ。

photophoto ダビングは録画番組一覧とほぼ同じ画面から番組を選択する。サムネイル一覧に切り替えることもできる。BDへダビングする場合、基本は高速ダビングになる

 TS録画した番組はMPEG-4/AVCとVRの録画モード、それ以外の録画モードで録画した番組はVRの録画モードに変換しながらの等速ダビングも可能。MPEG-4/AVCの録画モードはHDDへの録画時は3段階しか選択できないが、ダビング時には10段階から選択できる。なお、ダビング時の録画モードとしてHEモードに相当するビットレートは選択できないため、HEモードでBDにダビングしたい場合には録画をHEモードで行う必要がある。

 ダビングは録画番組単位以外に、同一録画番組内でチャプター単位でも選択できる。ただし、1チャプターがダビング先では1番組になってしまうため、チャプターを利用して番組本編のみとダビングといった使い方には向かない。高速ダビング時も含めてダビング時にはほかの処理は一切行えないが(ダビング中の予約録画は実行されない)、代わりに実行開始時間を指定してダビングを自動実行させることができる。また高速ダビングでもダビングごとに静音モードを選択が可能で、すぐにダビングを開始するときは最高速で、就寝中に予約実行させる時は静音モードで、と使い分けられる。

photophoto 「詳細設定」を選択するとダビング方法の選択が可能。高速ダビングの静音モードもここで選択できる(左)。TS録画した録画番組はMPEG-4/AVCで再エンコードしてHD解像度のままでダビング可能。録画モードもMPEG4-/AVCだけで10段階が選択できる。ダビング先メディアの残量に合わせた録画モードの自動設定も行える(右)

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