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» 2008年12月26日 17時00分 公開

大画面の広色域フルHD液晶を装備:極上AVノート「VAIO type A ビデオエディション」を味わう (2/4)

[都築航一,ITmedia]

広色域のフルHDパネルは用途により評価が分かれる

光沢処理の18.4型ワイド液晶ディスプレイは画面解像度が1920×1080ドットと精細だ。パネルの駆動方式はTNとなる

 ハードウェアでの最大のポイントは、VAIOノートで最大となる18.4型と大きなワイド液晶ディスプレイにあるといっていいだろう。味付けは両エディションで明確に異なっており、ビデオエディションでは、HDコンテンツをより高画質で表示すべく開発された「クリアブラック液晶」(ピュアカラー)を搭載する。

 フルHDのコンテンツをドットバイドットで表示できる1920×1080ドットの液晶パネルは、光沢処理によるつややかな表示を特徴とするだけでなく、パネルスペックもNTSC比104%という高い色再現性を備え、VAIOとしては初めて、同社のデジタルビデオカメラやテレビで採用が進む動画用の色空間「x.v.Color」に対応。従来の製品では表現しきれなかった色を再現できるようになった。

 さらに、用途に応じてソフトウェアで色調をコントロールする「色モード」の設定機能にも、テレビ視聴やBD/DVDの視聴に最適化された設定値が組み込まれる。

色モード設定はテレビ、DVD/BD、x.v.Colorの3種類が登録されているが、初期設定ではアプリケーションごとに自動で最適なモードに切り替わる

 実際の使用感は用途により評価が分かれる。地上デジタル放送や市販のBD/DVDタイトルの視聴時には、つややかでメリハリのきいた映像が楽しめる一方、ビデオ編集などの作業を行なっているときには、(低反射処理は施されているのだが)光沢処理による画面への映り込みが気になった。

 フォトエディション用のオプションとして用意されているディスプレイフード「VGP-DHA1」(実売価格1万3000円前後)を使えば、多少は映り込みを緩和できるが、フォトエディションで使われている液晶パネルは、Adobe RGB比で100%(NTSC比137%)とさらに広色域のノングレアパネルを採用していることを考えると、主な用途がビデオ編集というユーザーにとっては、むしろフォトエディションの液晶ディスプレイがうらやましく見えることだろう。

 もっとも、フォトエディションでもハードウェアカラーキャリブレーションの機能は用意されないことから、せっかくの広色域パネルを真に生かしきれるかどうかは疑問が残るところだが、ノングレア処理を施した液晶ディスプレイを選べるというだけでもありがたい。

フォトエディション(写真=左)とビデオエディション(写真=右)で同じ画像データを表示した例。いずれも色域は広いが、フォトエディションは緑から青にかけての色域がさらに広い

液晶ディスプレイにこだわるなら直販モデルに注目

フォトエディションのVAIOオーナーメードモデルでは、RAID 0で接続した計128Gバイト(64Gバイト×2)のSSDと500GバイトのHDDを搭載した構成が可能だ

 そこで、VAIO type Aの購入に際しては、ソニー直販のVAIOオーナーメードモデルという選択肢を提案したい。

 というのも、直販サイトではフォトエディションと同じ液晶ディスプレイを採用した黒基調の本体に、ビデオエディションと同じ地上デジタルチューナーやビデオ編集ソフトウェアを組み合わせて購入することが可能だからだ。ビデオエディションベースの本体で構成を組んだ場合と比べると、5万5000円ほど高価になるものの、ハイエンドにこだわりたいユーザーにはありがたいだろう。

 なお、VAIOオーナーメードモデルでは、OSのエディションを選べるほか、CPUやメインメモリ、ストレージデバイスの選択肢も広がる。CPUはCore 2 Duo T9600(2.8GHz)とさらに高性能なものが選べるし、ストレージにいたっては、フォトエディションベースの場合に限り、RAID 0で接続した計128Gバイト(64Gバイト×2)のSSDをシステムドライブとし、データドライブとして500GバイトのHDDを搭載するという、高速と大容量を両立した構成も選択可能だ(通常の250Gバイト×2との価格差は8万円)。

 最も高価な構成を選んだ際の総額は50万円を超えてしまうが、こうしたぜいたくな構成に仕立てられるのもフラッグシップならではの楽しみといえる。

テレビ視聴・録画機能はアップデートでさらに便利に

Giga Pocket Digitalでは、全画面モードのほか、写真のようなウィンドウモード、サイドバーに収納するモードの3つの状態で地上デジタル放送を視聴できる。写真は画面下部のサムネイルで見たいシーンを探せるフィルムロール再生を行なっているところだ

 続いて、ビデオエディションの機能面での要であるテレビ視聴・録画について見ていこう。VGN-AW50DB/Hは、本体に地上デジタルテレビチューナーを2基内蔵。自社開発の視聴・録画ソフト「Giga Pocket Digital」との組み合わせにより、地上デジタル放送を存分に楽しみつくすことができる。なお、BSおよびCS110度の衛星放送には従来通り対応しない。

 Giga Pocket Digitalのバージョンは、ダビング10に対応したVer.1.1だ。購入後には、番組の予約録画や視聴といった操作をユーザーの好みとして学習する「番組おすすめ」機能と、録画番組のBD-R書き込み機能を新たに盛り込んだVer.1.2にアップデートできる

 昨今は地デジチューナーを内蔵したノートPCも珍しくはなくなったが、録画済み番組の解析機能がもたらしてくれる便利さは、Giga Pocket Digitalならではだ。その実力は以前、「VGX-TP1DQ/B」のレビュー記事(前編はこちら、後編はこちら)で詳しく紹介した通りだが、番組の内容を詳細なタイムテーブルで表示する「カタログビュー」によって見たい場面からピンポイントで再生を開始できたり、番組の中で盛り上がっている部分を5分や10分といった時間のダイジェストにまとめてくれたりと、番組自体を手早く楽しめる機能が充実している。

 一方、CMや通販番組といったコンテンツについては、登場するタレントや使われているBGMなども含めたインターネット上の関連情報へ簡単にアクセスでき、テレビとインターネットの融合を具体的な形で見せてくれる。さらに、予約録画の際は、キーワードやジャンルを登録しておけば、番組表データから該当する番組を自動で抽出し、録画してくれる「おまかせ・まる録」など、テレビ録画機の利用スタイルが一変するほどの便利な機能が満載だ。

 もちろん、録画済み番組はBD-R/BD-REやDVDメディアに保存することもできる。HDMI出力端子を使い、リビングなどに設置されたより大型のテレビに録画済み番組を映し出すといった使い方も考えられるだろう。付属のリモコンは、画面から離れずに利用することが多いノートPCでは積極的に使うことが少ないかもしれないが、テレビに映し出すときなどは便利に使える。

カタログビューで録画済み番組の詳細を表示させたところ(写真=左)。どのコーナーでどんな内容が展開されるのかが分かり、選択したコーナーから再生を始めることが可能だ。ここでは番組中で紹介されている店舗の情報が表示されているが、この店舗の詳細情報へもインターネット経由でアクセスできる。CMについても同様の詳細情報を表示可能だ。おまかせ・まる録の機能を使って「ドキュメンタリー」というキーワードに合致する番組を番組表データから抽出したところ(写真=右)。プレビューを行なうことで、見たい番組が適切に抽出されているかどうかを確認でき、候補が多すぎれば、より具体的なキーワードを指定するといった修正ができる

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