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親孝行もできるデジタルフォトフレーム「PF-50WG」帰省のおともに(2/2 ページ)

» 2008年12月29日 10時30分 公開
[島村祐助,ITmedia]
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最大の特徴「無線LAN機能」

 本製品の最大の特長はIEEE 802.11b/g準拠の無線LAN機能を搭載することだ。バッファロー製品らしくAOSS(とWPS)に対応しており、同社製無線LANルーターとの接続はきわめて簡単。設定画面から待ち受け状態にしたのち、ルーターのボタンを長押しするだけで、自動的に設定が完了する。

photo AOSS設定
photo Picasa/Flickrのアカウント設定画面
photo アカウント設定はソフトウェアキーボードで行う

 そしてこのネットワーク機能が接続できる先は、オンラインフォトアルバムサービス「Picasa」「Flickr」、ユーザーのPCやDLNAサーバー対応のネットワークHDD(NAS)などとなっている。とくにおすすめしたいのは「Picasa」との連携だ。ブラウザベースでも利用できるが、クライアント用のソフトも無料で配布されているので、PCにインストールしておけば写真の管理やフォルダ単位でのアップロードも簡単に行えて便利だ。

photo 「Picasa」「Flickr」へアップロードした写真を閲覧可能。Picasaならクライアントソフトを使えば大量の写真も簡単にアップロードできる
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 そんな「Picasa」上の自分のスペースに写真をアップし、該当のアルバムを「一般公開」に設定。またPF-50WGからは「Picasa」のアカウント(通常はGmailのアドレス)を設定しておけば準備は完了だ。あとは内蔵メモリーや各種メモリーカードから写真を読み出すのと同じ感覚で、ウェブ上のアルバムをPF-50WGで表示できるようになる(「Flickr」も設定は同様)。

 パスワードロックされたフォルダにはアクセスできないなど、ずいぶんと割り切った仕様だが、世界中どこでもインターネット接続さえできれば本製品で写真を閲覧できるし、。設定に関してもルーターがAOSS対応であれば特にネットワークの知識などなくても数分で済む。

 技術的にはけっこう凄いことをやっているのに、使う上ではそれがまったく見えない。ユーザーの負担を可能な限り低減したこの使い勝手こそ、本製品の真骨頂といえるのではないだろうか。

 またさらに一歩進んで、本製品からDLNAサーバー経由でPCやNASからファイルを読み出すことも可能だ。ここではじめて付属のソフトウェアの出番となるのだが、ソフト「MediaServer2」をインストールすれば簡単にPCをメディアサーバー化することができ、任意のフォルダへ本製品からアクセスできるようになる。

 この機能は基本的に同一ネットワーク上の中での機能なので、「PCやHDDが書斎にあるのだが、リビングやベッドルームなど別の部屋でも写真を見たい」といった用途に向いている。業態によっては「会議室からでもPCの現場写真が見られる」、「客に見せるため、店内にPF-50WGを置いてスライドショーをしているが、画像自体はバックヤードのPC内にある」といった使い方などで、仕事で役立つケースもあるかもしれない。

プレゼントに最適、親孝行できるデジタル製品

 本製品はネットワーク対応でありながらシンプルにまとまり、価格的にも手を出しやすい。課題があるとするなら良く悪くもPC周辺機器の文脈でまとまり過ぎている点かもしれない。

photo 良くも悪くも「バッファロー製品」なパッケージデザイン

 例えば、パッケージは赤を多用したおなじみの「バッファロー製品」そのもの。もちろんPC周辺機器に慣れ親しんだユーザーからしたら信頼と実績の証だが、昨今では家電量販店に「デジタルフォトフレームコーナー」があるのも珍しくない。シックな色合いの製品も多いカメラ周辺機器コーナーに、この赤はちょっと「悪目立ち」しかねない。パッケージ表記もPC周辺機器になぞらえたものなので「難しそうだな」と敬遠してしまう人がいるかもしれない。これまで書いてきたように、実際はとても簡単に使えるよう仕上がっているだけにこの点はもったいない気がする。

 インタフェースも同様。まだまだPC周辺機器的な感覚を多く残しており、PCに慣れ親しんでいれば非常に分かりやすいが、家電的な感覚からすれば取っつきにくさは残る。小さいお子さんやお年寄り向けのガイダンス的な要素や、設定まわりのロックなどがあっても良かったかもしれない。リモコンもコンパクトでよいが、ボタンがすべて同じ形状だったり、英語とアイコン表記だったりと使い勝手への配慮が足らない印象だ。

photo リモコン

 と、つい辛口になってしまうのも、本製品の仕様からは、遠方の必ずしもPCに詳しくない相手とのスムーズな写真のやりとりが可能という、魅力的な使い勝手が見えてくるからだ。

 具体的には「都会在住の夫婦が、郷里の両親に本製品をプレゼントし、常に最新の子供(孫)の写真を見られるようにする」だとか、「単身赴任中のお父さんが、家族の近況を写真で確認しながら仕事を頑張る」など。

 従来だとデジタルデータでやりとりするか、プリントしたものを送るといった方法が一般的だったが、いずれにせよ手間がかかる。デジタルデータの場合、双方がPCなり携帯電話をある程度使えないとスムーズにやり取り・保管が出来ないなどの弱点もあった。一方で本製品を使えば、受け取る側に無線LAN環境が必須という条件こそあるものの、一端設定を済ませてからのオペレーションの簡便さはズバ抜けている。

 写真を送る側は、デジカメや携帯電話で撮った写真をウェブ上にアップロードしておけば良く、受け取る側は本製品の電源を入れて電源ボタンを押し、それと気付くこともなくウェブ上のフォルダにアクセスして写真を見るだけ。相手の都合に関係なく24時間いつでも使え、国をまたがってのやり取りも可能と、そのメリットは計りしれない。

 この年末年始、子供を連れて帰省するという読者も多いと思うが、例えば実家にいちおうネット環境もある、ちょうど無線LANルーターを買い換えたので1台余っているなどという事情があるなら、PF-59WGと一緒に帰省し、実家に設置してはどうだろうか? 「親孝行」できるデジタル製品なんて滅多にないのだから。

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