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撮る+公開=楽しい――サイバーショット「DSC-G3」レビュー(4/6 ページ)

» 2009年01月22日 08時30分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

Wi-Fiでインターネットに接続する

 ではいよいよG3ならではのWi-Fiである。

 G3は無線LAN機能(IEEE802.11b/g対応)を持っている。G1も持っていたが、G1はローカルなネットワークがメインで、インターネットには出て行けなかった。しかしG3にはWebブラウザまで搭載し、撮った写真や動画をその場でアップできる。

メニューからネットワークを選ぶとこの画面に。WebにつなぐかDLNAを使うかを選ぶ。あらかじめネットワーク設定で、アクセスポイントを登録しておくこと(写真=左)。暗号化している場合は、この4つから方式を選び、パスワードを入力する(写真=右)

 最初の設定さえしておけば使い方は簡単だ。Homeメニューか、側面の「WLAN」ボタンを押してWi-Fiモードにする。自宅の無線LANでもいいし、公衆無線LANサービスを使ってもいい。SSIDを見つけたら、パスワードをセット(WEPやWPA2など主なものに対応している)するだけでいい。公衆無線LANサービスの場合はWebブラウザから認証する必要があるサイトもあるが、G3はWebブラウザを持っているので問題ない。

サイトにつながると、その時点で使えるサービスが表示される。今回はPicasaを選択

 そしてインターネットにつながると自動的に「ソニーのポータルサイト」につながる。今回は試作品だったので動画用として、eyeVio、YouTube、Dailymotion、静止画用としてPicasaウェブアルバムだけだったが、製品版ではmixiなどにも対応する。

 とはいえ、これはG3内の機能ではなく、ソニーのG3専用ポータルサイトの画面であり、サーバー側でどんどん対応サービスを増やしていくことができる。それがよい点だ。

 今回はPicasaに写真をアップしてみた。

画像アップロード/閲覧を選ぶと、設定したアクセスポイントからネットワークに接続(写真=左)。アップロードする写真を選ぶ。こういうときのためにあらかじめシェアマークをつけておくと便利。あるいはイベントやフォルダから1枚ずつ選んでもOK(写真=右)

 Picasaを選んでログインすると、アップロードとアルバムの2つのタグが現れる。アップロードタグを選ぶと、アップロード画像選択になる。シェアマークをつけてあればここからすぐにマークをつけた写真をアップできる。そうでないときは、お気に入り、イベントビュー、フォルダビューのどれかからアップロードする写真を手動で選択だ。

アルバムモードにするとPicasaウェブアルバムにアップしたアルバムを見ることができる(写真=左)。これが今回アップした写真。「お知らせ」を使うと、このアルバムをメールで教えることができる(写真=右)

 「アルバム」を選ぶと、Picasaウェブアルバムにアップした自分の写真を見ることができる。この辺はすべてG3用に最適化された画面で楽しめるのである。

Webブラウザとして使うには左上のアイコンをタッチ。するとURLが表示され、各種メニュー(お気に入り、履歴、アドレス帳など)が現れる(写真=左)。任意のURLに飛びたいときは、ソフトウエアキーボードで入力。使い勝手はあまりよくないので、ブックマーク系のサイトをひとつ登録し、そこからジャンプするのが便利だろう。一度開いたページはブックマークしておける(写真=中)。Webブラウザを使ってソニーの製品ページにアクセスしてみた。普通にフルブラウザとして利用可能だがサイトによってはレイアウトがくずれることも(写真=右)

 フリーアクセス機能を使えば他のサイトを閲覧することが可能だ。ソフトウエアキーボードからURLを入れる必要があるが、キー入力はさすがに面倒なので、ブックマーク系のサイトをひとつ用意しておくのがいいだろう。

 フルブラウザとしては、レイアウトが乱れるサイトもあるし、使い勝手はさほどよくないし、描画速度もあまり速くない。やはり、写真の公開と閲覧がメインと思うのが良さそうだ。DLNA対応機器を使って写真を共有するなんてこともできるが、撮影したら、近くの公衆無線LANスポットに飛び込んで、公開したい写真をさっと転送できるという機動力が一番のウリだ。

G3は新世代のデジカメである

バッテリーは薄型のDタイプリチウムイオン。その横にメモリースティックDuoスロットがある

 G3はデザインといい機能といい、前モデルのG1よりはるかにレベルの上がった「新世代のデジカメ」であるが、G1から省かれたり変更された機能もある。

 まずは動画のフォーマット。G1はMPEG-4形式の動画をサポートしていたが、G3は他のサイバーショットと同様にMPEG-1である。今の時代、これは残念。

 もうひとつは、PlaceEngine対応ではなかったこと。G1の時も期間限定のファームアップサービスで追加された機能ではあったし、Wi-Fiスポットを利用した位置情報取得という性格上、都市部でしか使えなかったが、GPSを持たなくても撮影位置を写真に記録してくれるのは面白かった。対応ソフトを使えば撮影場所を地図で表示してくれる。

 ほかにも省かれた機能はあるが、上記2点については残して欲しかったと思う。特に写真に撮影位置を記録する「ジオタグ」はこれから伸びる分野だ。

 とはいえ、従来の「撮る&見る」デジカメに、「写真を撮りためる」「写真や動画をネットで公開する」という今まではパソコンで行ってた楽しさを詰め込んだことで、一歩先へ進んだのは確かだ。

 「ためられる」ことで、昔の写真を持って歩いて見せたり、ネットで公開したり、ネットにアップした写真や動画をこれで楽しんだりできる。この機能は意外に重要で、今までのデジカメでは「そういえば、昨年旅行に行ったときの写真は?」といわれたとき、すぐに見せられなかった。たいていは家のパソコンに入っててカメラには残ってないから。G3なら、おそらくそんなことはないのである。

 「公開できる」ことで無線LANのアクセスポイントさえ把握しておけば、さっとお店に入ってその場でアップロードしてメール、というこれまでケータイでしかできなかった技が使える。となると、クオリティではデジカメの方が上だ。

 タッチパネルの操作性など使い勝手で気になる点もあるが、未来につながる面白い「デジカメ兼画像ビューワー兼ネット端末」である。

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