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スピーカーを選ばない確かな駆動力、デノン「AVC-2809」AVアンプ特集(1/3 ページ)

» 2009年03月24日 12時07分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]

 価格帯を問わず、各社の注目機種を取り上げるAVアンプ特集。今回はデノンの「AVC-2809」を紹介しよう。

photo デノン「AVC-2809」。価格は16万8000円

製品の特徴

 AVC-2809は、2007年末にいち早くHDMI1.3aに対応して注目を集めた「AVC-2808」の後継モデル。16万8000円という価格(定価)が示すとおり、デノンのAVアンプ製品の中ではミドルクラスに相当する。ユーザー的には、コストパフォーマンス優先のエントリークラスから卒業し、本格的なホームシアターシステムの構築を目指している人をターゲットにしているのだろう。クオリティーとコストパフォーマンスの絶妙なバランスは、先代から受け継がれている。

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 技術的にも、さまざまな部分でAVC-2808の後継機であることがうかがえる。例えば32bitフローティングポイントタイプDSP(2基)を活用したデノン独自の“AL24 Processing Plus”や192KHz/24bit高性能DAC、マスタークロックの純度を高めるレイアウト、系統ごとに独立した基盤やパーツレイアウトなど、音質に対するこだわりは随所に見られる。もちろんドルビーTrueHDやDTS-HD MAなどすべてのHDサウンドに対応、圧縮処理をするときに省かれた信号を再生成するコンプレスド・オーディオ・リストアラー機能も搭載されている。

 画質面では、Deep Colorやx.v.Colorに対応したHDMI1.3aを装備するだけでなく、216MHz/12ビットのビデオDACを採用。IPスケーラーも搭載しているので、アナログビデオ信号やDVDビデオの480P映像を、フルHDにアップコンバートして映像機器に出力することができる。

 デザインは、AVC-2808とまったくといっていいほど変わらない。昨年モデルから全機種統一のデザイン・アイデンティティーは健在で、“主張しすぎない”さりげない存在感は好印象。価格に見合った上品さだ。

ユーザビリティーチェック

 フロントパネルの操作性も、AVC-2809とAVC-2808ではほとんど変わらない。ソースとボリュームという2つの大きなダイヤルが左右に用意されているレイアウトは、オーソドックスだが使い勝手はとても良い。さらに右下にあるクイックセレクトが相変わらず秀逸。カスタムしたサウンド設定を3種類呼び出せるようになっているので、映画やライブ、CDなど、1台のユニバーサルプレーヤーで異なるテイストの音を再生するときなどにも大変便利だ。それ以外のボタンは、フロント入力端子とともにカバー内に収められているため、使い勝手と見た目のスマートさがうまく両立されている。このあたりは、長年にわたりAVアンプをリリースし続けている、デノンならではの巧みさだろう。

photophoto 緩やかなラウンドを持つフロントパネル。シルバーカラーとヘアライン仕上げのマッチングの良さもあって上質感は高い。フロントモニターのホワイト文字がさらに上品な印象を与える(左)。操作系のスイッチ類は大半がフロントパネルのカバー内に収められていて、すっきりとしたデザインと操作性の高さを両立。ボタン数が多いため多少の慣れが必要となるが、使いこなせればとても便利(右)

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