ニコンのコンパクトデジカメといえば「COOLPIX」シリーズ。他社のライバルシリーズに比べるとやや地味な印象もあるが、「COOLPIX P1/P2」(2005年9月発表)では無線LAN搭載を搭載し、「COOLPIX P6000」(2008年8月発表)には画像へジオタグを埋め込むことができるGPSを搭載しているなど、トンがった先進的な機能を展開するシリーズでもある。
そして今回のトンがった部分は「プロジェクター」。新製品「COOLPIX S1000pj」は世界で初めて(同社)プロジェクターを内蔵しており、撮影した静止画/動画をスクリーンはもちろん壁や天井に投映して楽しむことができる。
まずはさておきプロジェクター。搭載するプロジェクターの解像度はVGA相当。LEDを光源としており、明るさは10ルーメン。投映距離26センチで5型、同2メートルで40型の投映が行える。本体上部のボタンを押すとプロジェクターが起動し、スライドバーでピントを調整する。
蛍光灯で明るく照らされているオフィス内だと、さすがにある程度の投映サイズになってしまうと鮮明とは言い難くなるが、一般家庭の室内で照明を消す/カーテンをひくなどして明かりを絞れば、最大投映距離の2メートルを越えてもかなりの明るさで写真を楽しめる。光源にはLEDを利用しているため起動は瞬時だが、スライドバーによるピント合わせは微調整が少々やりにくく感じる。
40型程度まで大きく映し出そうとすれば、ある程度は周辺の明かりに配慮する必要があることは述べたが、これはひとえに搭載するプロジェクターのライト光量に依存する問題。投映距離を短くすれば(画面サイズを落とせば)、明るい室内でも鮮明な映像を楽しむことが可能だ。
社内で試したところ、30センチ弱の距離(画面サイズは約5型)ならば十分に鑑賞に堪えることが確認できた。オフィスよりも光量の少ない一般家庭ならば、もう少し大きなサイズであっても、そのままの照明できれいに見ることができるはずだ。
プロジェクター投映中のスライドショー再生が可能など、プロジェクター利用時の操作感はほぼ背面液晶を利用している際と変わらないが、プロジェクター利用時にはバッテリー消費が激しい(カタログ値で連続投映可能時間は約1時間)。投映はあくまでも写真を楽しむときだけの利用にとどめる方がよい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR