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“BRAVIA”「EX700」 薄さとデザインのこだわり(1/2 ページ)

» 2010年01月21日 21時40分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 ソニーが1月20日に発表した新型BRAVIA「EX700」シリーズは、LEDエッジライトを採用して薄くなったスタンダードモデルだ(→LEDだけじゃない、ソニーが「BRAVIA」新製品3シリーズを発表)。同じくLEDエッジライトシステムを搭載した上位モデル「ZX5」シリーズに比べると価格は半分程度に抑えつつ、スリムで高級感のあるデザインを目指した。今回は、LEDエッジライトがもたらしたデザインに着目して話を聞いた。

photophoto BRAVIA「EX700」シリーズはブラックとホワイト(52V型はブラックのみ)

 LEDエッジライトを採用するメリットは、主に3つある。まず画質面では白ピークの向上、デザイン面では薄型化、そして低消費電力。競合他社を含めて“LEDテレビ”――北米ではLEDをバックライトに使用したテレビを一般的にこう呼ぶ――の低価格化を進める中、ソニーは2007年の「KDL-ZX1」で先鞭(せんべん)をつけたエッジライトシステムを下位モデルにまで拡大した格好だ。

 もちろん、画質面でよりメリットの多い直下型LEDバックライトをやめたわけではない。発表会であいさつに立った同社ディスプレイマーケティング部の粂川滋統括部長は、「製品バリエーションの中で、市場に合うものを選んで商品化していく」(同社)と複数の実装方法を検討する姿勢を示している。「CCFLに比べるとLEDはコストアップになるが、製品トレンドとして(LEDテレビが)増えており、市場の拡大がコストを抑える。今後もコストと付加価値を考慮して、(商品として)成り立つものを出していく」。

photophoto ソニーマーケティングAVマーケティング部門ディスプレイマーケティング部ディスプレイMK課、森山友嵩氏(左)。ネットワーク機能も充実。新しい「<ブラビア>ネットチャンネル」では、YouTubeやU-NEXTを視聴できる(右)

 EX700シリーズは、白色LEDによるエッジライトシステムを採用している。ソニーが2008年夏に発表したKDL-ZX1では、LEDを画面の4辺に配置していたが、2009年の「ZX5」シリーズでは下辺だけ。そして今回のEX700シリーズでは、画面を上下から挟むように天面と底面に配置しているという。

 この違いについて、ソニーマーケティング、ディスプレイMK課の森山友嵩氏は、「エッジライトの場合、LEDの設置場所は、製品の特性や使用するLEDの発光効率などによって変わります」と説明する。LEDや導光板といった部材は急激に進歩しており、1年もあれば性能が大きく変わる。同社は各製品に使用しているLEDの数を公開していないが、少なくとも「EX700シリーズは、50V型クラスでも輝度ムラのない画面を実現しています」(森山氏)。これは独自開発の導光板による部分も大きいという。

薄型化で手軽な壁掛けテレビも?

 展示されていたカットモデルを見ると、液晶パネルの後ろ側は非常にシンプルであることが分かる。実際、パネル部の厚さは最も薄いところで22ミリ、厚い場所でも65ミリ。スタンダードモデルの価格帯でありながら、壁掛け設置を十分に検討できる厚さだ。

photophoto 発表会では、「KDL-40EX700」のカットモデルも展示された。一番奥に見えるのが金属製の背面パネル。その前に反射板、新開発の導光板、各種フィルム(偏光フィルムなど)
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