2011年7月のアナログ停波が1年3カ月後に迫り、家電店では単体デジタル放送チューナーを見る機会も多くなった。単体デジタルチューナーは、基本的にアナログテレビでデジタル放送を視聴できるようにするもので、そのため機能より価格を優先した製品が多いのだが、そんな常識を吹き飛ばすような単体デジタルチューナーが東芝から登場した。
「レグザチューナー」というニックネームを持つ「D-TR1」は、地上/BS/CS110度のデジタル3波に対応し、別売の外付けHDDを接続するとハイビジョン録画も可能になる多機能・高付加価値モデルだ。「REGZAリンク」対応のHDMI出力や超解像技術「レゾリューションプラス2」を備えていることもあり、すでに地デジを見ているが、この製品は気になるという人も多いのではないだろうか?
今回は、量産前の試作機を借りることができたので、機能と使い勝手を検証してみよう。なお、試用機にはマニュアルが付属していなかったため、試行錯誤で機能を確認している部分もあることをお断りしておく。
外観はいたってシンプル。一見すると他社の低価格デジタル放送チューナーとの違いは感じられない。フットスペースはA5より少し長辺が長い程度。前面は4つの操作ボタンとLEDインジケーターだけというシンプルな作りだ。
本機が特徴的なのは、同社の液晶テレビREGZAのチューナー、映像回路の一部をそのまま抜き出した形になっていること。高精細な電子番組表を搭載し、別途USB HDDを接続することで録画にも対応する。さらにSDメモリーカードへのワンセグ録画もサポートした。
映像出力は、コンポジット、D端子(D3対応)、HDMIに対応しており、ブラウン管のSD/HD対応テレビから液晶/プラズマテレビ、さらにはPC用のディスプレイ(HDMIを使用)まで、幅広くかつ可能な限り高解像度、高画質で楽しむことができる。音声もHDMI接続であればデジタル出力が可能だ。あえて残念な点を挙げるとすれば、音声単独の(D端子と併用できる)デジタル出力を備えていない点だろうか。
なお、D端子がD3までというのは中途半端に感じるかもしれないが、ハイビジョン放送のほとんどがD3(1080i)止まりであることや、ハイビジョン対応ブラウン管テレビの多くがD3入力までしか対応していなかったことを考慮すると、あまり問題にはならないはずだ。
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