なんというか、iPod shuffleの親分のようでもあり、iPod touchのミニチュアのようでもあり、でもとりあえず一番似てないのが先代iPod nanoだよな、というのが面白い新型iPod nano。
そもそも考えてみたら、iPod nanoって、iPod(iPod classic)より容量は減るけど小さくて軽くて安くて気軽に使えると登場したものなのだ。
でもいつしか小型化よりも、動画が見られるようになり、カメラが付きとどんどん高機能に向かっていき、本家iPodも、主流がクリックホイールではなく、タッチパネルのiPod touch & iPhoneに切り替わっていく。
で、iPod nanoもまたタッチパネル時代のnanoとして生まれ変わったのである。
じゃあ、今までの高機能なnanoが好きだった人はどうするのか。従来の路線はiPod touchに統合されたと思っていい。iPod touchにはカメラが付いたし、iOS 4にもなった。よいラインアップになったと思う。
iPod nanoは小さく軽くなった(なにしろ21.1グラム)分機能は思いきり削られた。カメラがなくなり、動画再生機能もなくなり(まあ画面も小さいしね)、カレンダーやアドレス帳表示機能もなくなった。
その分、ウエアラブルになった。クリップが付いたのである。これが一番面白い特徴だ。正方形ディスプレイの小さなボディにクリップ。
Appleプレスイベントでのお披露目で実物をはじめてみたときに感じたのはそこだ。クリップがついているのでどこにでもはさめる。誰もが最初に思いつくのが時計。
この写真、何気なくFlickr!にあげたら海外のサイトで無断で使われて、いろんなところに出まくったので見たことある人も多いと思うけど、元の写真はこれ。わたしが撮ったもので、そのとき付けてた腕時計のバンドにはさんだだけである。反響が大きくて当人も驚いているくらい(ちなみに、Flickr!上の写真は5万5000ビューを越えた)。
今までのiPodはバッグやポケットに入れる、首からぶら下げるものだった。今度のiPod nanoはとにかくその辺にはさむ。むきだしのままはさむ。
実用的なところでは襟、袖口、バッグのストラップ、上着のポケット。もうどこでもいい。好きな場所にはさんで持ち歩ける。
製品には、いままでと同じ白くて長いケーブルのイヤフォンが付属するが、サードパーティ製のイヤフォンは数10センチメートルの短いケーブル+延長ケーブルという構成のものが多い。わたしが愛用するShureのイヤフォンもそうだ。バッグに入れるなら延長ケーブルが必要だが、好きな所にクリップできるとなれば、短いケーブルのまま使えるので邪魔にならなくてよい。
そうすると、画面が外を向く。画面が常に世間に見られる。見たり見られたりするためのiPodなのだ。ここがまた面白い。
例えばスリープボタンを押してiPod nanoを起こすと、自動的に「アナログ時計」画面になる。腕時計にしてみたくなるってものだ。
適当なところにはさんでおき、時計代わりに使えるのだ。
普段はジャケット表示なわけだが、時間がたつと画面が消えてスリープする。スリープ時間は残念ながら決められない。
が、写真表示にし、写真をスライドショーさせるとスリープしなくなる。延々と画像を表示し続けたいときは、表示したい画像を入れたアルバムを作り、それをスライドショーにしてやるといい。それをやるとバッテリは急激に減るが、延々と画像を見せながら歩き回れる。画面を見せるためのiPodってちょっと新しい。
見られたくない人は液晶を内側に向けてクリップするように。クリップ側はアップルのロゴがあるだけというシンプルデザインだ。
オフの時自己紹介画像や名札がわりに使えるといいなといってる人がいたけれども、この方法なら可能だ。
で、クリップする場所によっては画面の向きはころころ変わる。
そこで2本指で回転させることで画面の向きを自由に変えられるようになっている。これはありがたい。
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