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“縦置き上等”の薄型BDレコ、シャープ「BD-AV70」の中身写真で解説する(1/2 ページ)

» 2010年11月04日 20時25分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 10月の「CEATEC JAPAN 2010」に参考出品されたシャープの新しいBlu-ray Discレコーダー「BD-AV70」。厚さ35ミリという、液晶パネル並みの薄さとスタイリッシュな縦置きスタイルで注目を集めた同機が、そのままのカタチで市販されることになった。しかも、HDDを搭載せず、アナログ入出力端子を省略したコンセプチュアルな仕様のままだ。

「BD-AV70」は12月1日発売予定で、店頭価格は8万5000円前後になる見込み(左)。11月4日には同デザインの再生専用機「BD-HP90」もリリースされた(右)

 BD-AV70の特長は、なんといってもその薄さだろう。幅は430ミリと一般的なAV機器サイズながら、高さは35ミリ。レコーダーとしてはもちろん、BD再生専用プレーヤーを含めても現時点で業界最薄となる。光沢ブラックとメッキ調シルバーのツートンカラー、そして緩やかにラウンドした背面(横置きでは底面)が、さらに薄さを強調している。

薄さの秘密は、本体のカバーを外してみるとよく分かる。まず目をひくのが、パイオニアと共同開発した薄型のBlu-ray Discドライブ。スロットイン式を採用し、厚さはわずか12.7ミリとした(左)。新型ドライブを従来型と比較。薄さがよく分かる(右)

縦置き/横置き両対応も楽じゃない

 縦置きと横置きの両方に対応し、かつ外観をスタイリッシュにまとめるために、BD-AV70では随所にユニークな工夫が見られる。まず、本体の内側にコネクター類を収容する空間を用意し、筐体の外に出るのはケーブルだけとした。そのカバーを良く見ると、いくつかのパーツに分かれている。これは、「縦置きと横置きではケーブルを出す方向が異なるため、それぞれに対応したカバーを用意した」(商品企画を担当したシャープAVシステム事業本部商品企画部の斎藤廣主事)からだ。さらに付属の縦置きスタンドにもガイドを設け、ケーブルの露出は最小限に抑えている。

背面のコネクター部(左)とそのカバー(右)。横置きにする場合、内側の小さなカバーを外してケーブルを出す

 排熱にも気をつかった。BD-AV70では上下(縦置き時)から空気を取り入れ、背面のファンで排気する仕組みになっているが、横置きにすると背面は底面となり、排気口がふさがれてしまう。このためファンの周囲にくぼみを設け、背面側にも空気が抜けるようにした。

排気ファン。ファンの正面がふさがれても横に空気が逃げるようになっている(左)。表示部も縦表示/横表示両対応(右)

 リモコンの赤外線受光部は、前面と上面(横置き時)の2個所に備えた。これは、縦置きにした際、液晶表示部をユーザー側に向けるとリモコン信号が届きにくくなるからだ。ただし、2個所の受光部が同時に動くと反射などの影響で誤操作の可能性も高くなるため、スライドスイッチで使用する受光部を明示的に切り替える仕様になっている。

 「GUIメニューで切り替える方法もあったが、そもそも操作に支障があるときにメニューを操作してもらうのは難しい。その点、ハードウェアのスイッチを設けておけば、電話サポートなどでも対応しやすい」(斎藤氏)。

ちょっと分かりにくいが、異なる方向に向けられた2つの赤外線受光部がある(左)。背面には使用する受光部を切り替えるスイッチがあった(右)

 こうした細かい配慮があって初めてスタイリッシュな縦置きが可能になった。縦置きにすればラックの隅やテレビサイドといった幅のない場所にも無理なく設置でき、横にすればAVラックのすき間など高さがない場所にも置ける。シャープのいう「エコスペースデザイン」とは、さまざまな気配りが可能にした設置性の高いデザインのようだ。

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