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“縦置き上等”の薄型BDレコ、シャープ「BD-AV70」の中身写真で解説する(2/2 ページ)

» 2010年11月04日 20時25分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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素早く録画・再生できる「マッハメモリー」とは?

 HDDを搭載していないBD-AV70では、録画はすべてBDメディアへの直接記録となる。その代わり、BDドライブはBDXLをサポート。10倍録画に対応するMPEG-4 AVCトランスコーダーも搭載しており、録画時間は十分確保できるという。100Gバイトの容量を使えば、DRモード(画質劣化なし)でも連続ドラマ1クールを1枚に記録可能。10倍モードにすれば、1時間ドラマ4シーズン(1シーズン21話)をまとめてライブラリー化できる。なお、デフォルトの設定は5倍モード。シャープ製BDレコーダーの特長である番組の連動データやサラウンド音声をそのまま記録する機能もある。

前面のUSB端子はAVCHD動画の取り込みなどに対応。ヘッドフォン端子はドルビーヘッドフォンをサポートしており、一般的なステレオヘッドフォンでもバーチャルサラウンドが楽しめる

 HDD録画に比べると、BDへの直接録画はメディアの読み込みなどに時間がかかってしまうのがネックだ。それを解消するために開発されたのが、「マッハメモリー」。メモリをバッファとして利用することで、録画や再生を開始するまでの時間を短縮するというものだ。

「マッハメモリー」の概要

 例えば、電源を入れてから録画ボタンが押せるようになるまでにかかる時間は、従来のBDレコーダーでも実測値で約58秒かかっていた(HDD録画、クイック起動オフ時)が、BD-AV70では約22秒だという。また、再生開始までにかかる時間は約2.8秒。従来機のHDD再生では3秒というから、HDDよりも早いことになる。「マッハメモリーの搭載とあわせ、基本動作の時間短縮も行っている。目標は、HDD機並みにサクサク動くこと」(斎藤氏)。

 もちろん、録画/再生ともにBDメディアが入っていることが前提となるが、メモリからBDへ作業が移るときもシームレスで、ユーザーがその違いを意識することはないという。「再生中にメモリからBDへ移行しても、画面上はまず分からない」。

 マッハメモリーは、録画あるいは再生の操作があっときにキャッシュを行う仕組みだ。このためBlu-ray Discに複数の番組が記録されていれば、そのすべてのキャッシュを持っていて、そのメディアが取り出されるまではキャッシュを保持し続ける。録画番組を選んで再生する場合でも動きは速いというわけだ。残念ながらメモリ容量については非公開だが、「例えばドラマなら、各話の冒頭部分を保持できるくらいの容量は持っている」

 そのほかの機能としては、再生時に働く超解像技術「微細化高画質」、停止状態が約20秒間続くとBDドライブの電源をオフにして約23%の節電を可能にする「インテリジェント パワーセーブ」などが挙げられる。

 背面の入力端子はシンプルだ。HDMIのほかは、光デジタル音声出力とi.Link、そしてLAN端子のみ。アナログ入出力端子を持たない思い切った仕様になっている。これは、スペース的にコネクター類を多く載せられないという事情によるものだが、HDMIが普及した現在では、使用頻度の低い入力端子よりも省スペース性を重視する人も多いだろう。

背面端子はシンプル(左)。付属のリモコン(右)

 前面には、一般的なヘッドフォンでバーチャルサラウンドが楽しめるドルビーヘッドフォン対応のヘッドフォン端子、およびAVCHDビデオカメラからの動画取り込みにくわえ、USBメモリーを装着して「BD Live !」用ストレージとしても利用できるUSB端子を備えた。


 仕様だけを聞くと、割り切った仕様にも思えるBD-AV70だが、その中身を知ると、実によく考えられた提案型商品であることが分かった。シャープでは、Blu-ray Discレコーダーが本格普及期に入ったと分析しており、「ユーザー層の拡大とともに、BDレコーダーにもさまざまなニーズが出てくる」と判断。薄型テレビに合わせたスタイリッシュな製品を求めるユーザー層に向けてBD-AV70を用意した。また、Blu-ray 3D機能を安価に追加したい層に向けて、同じデザインの再生専用機「BD-HP90」もリリースする。「多様化するニーズに対して、われわれはラインアップの幅を広げることで対応していく」(斎藤氏)。

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