日本ではレコーダーがメインとなっているBlu-ray Disc環境。だが海外では、逆に低価格BDプレーヤーが主流であったりもする。とまあ、今更語ることもはばかれる特殊なAV事情を持つ日本だが、昨年あたりからは、BDプレーヤーの姿もちらほらと見るようになってきた。特に2010年夏以降は、3D対応モデルが登場したこともあって、にわかに注目を集めている。なぜなら、BDレコーダーの3D対応機がミドル〜高級モデルに集中しているのに対し、プレーヤーなら3〜4万円という低価格で入手できるからだ。そんな手軽に最新規格が楽しめる3D対応BDプレーヤーとして登場した1台が、ソニーの「BDP-S470」である。
BDP-S470は、昨年発売された低価格BDプレーヤー「BDP-S360」の後継機にあたる製品である。まず特徴的なのは、高さ36ミリ、奥行き212ミリという超コンパクトボディーだ。このディメンションにより、置き場所の自由度はかなり高くなっている。また本格AV機器というよりも、何かのAV家電のサブボックスのようにもみえるデザインは、存在を主張しすぎず脇役に徹しているかのような印象すら持つ。
とはいえ、再生メディアはBDやDVD、CDのほかSACDにも対応していたり、USBメモリーからも再生やインターネット上にある専用サイトの映像コンテンツの再生が可能など、機能的にはなかなかの充実ぶり。いっぽうで映像出力に関しても、i/p変換やすべてのソースを1080/60pで出力できるプレシジョンシネマHDアップスケールを搭載。24pやDeep Colorにも対応するなど、エントリーモデルとは思えない機能を盛り込んでいる。
一方の音声系は、HDMIによるHDオーディオ・フル対応音声出力を当然のように搭載しつつ、非対応製品に配慮したリニアPCM変換出力も可能となっている。加えて光デジタルや同軸デジタル出力端子を用意するなど、幅広いシステムに対応できる配慮がなされた。また、先代BDP-S360に対し、BDソフトのローディング時間を約半分にまで短縮しているなど、ユーザビリティーに関する改良も施されている。
再生機というシンプルな役割を担う機器のため、設置はいたって簡単。電源ケーブルを接続したあと、テレビやAVアンプとHDMIケーブルでつなぎ、最後にLANケーブルを接続するだけだ。インターネット上のコンテンツを再生しないのであれば、LANケーブルを接続しなくてもかまわないが、「プレイステーション3」と同じく内部ソフトが手軽にオンラインでアップデートできるため、できれば接続しておいた方がよいだろう。
厚さ36ミリというボディーは、確かに相当薄く感じる。20センチ強の奥行きと合わせ、このスケールであれば置き場所に困ることはないだろう。ただしあまりに薄くなった代償として、本体前面の操作ボタンは上向きのかなり小さな突起となった。テレビの下のAVラックに配置する場合(要は高さの低い場所に置く場合)はこれでも不満なく操作可能だが、専用ラックにほかの機器とまとめて収めたい人には少々使いづらいかもしれない。とはいえ日常的な操作は付属リモコンで行うだろうし、HDMIリンクによってテレビ側のリモコンでもある程度の操作は行える。総じて不満は抱かないはずだ。
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