4月下旬に発売されたマランツの「UD7006」は、なかなかユニークな製品だ。中級クラスのBlu-ray Discプレーヤーというだけでなく、SACDやDVDオーディオのマルチチャンネル再生にも対応、さらにネットワークプレーヤーとしての機能も持ち合わせている。見どころの多い新製品をさっそくチェックした。
マランツは現在、57万7500円というプライスタグをもつ超弩級モデル「UD9004」を筆頭に、3製品のBlu-ray Disc(以下BD)プレーヤーをラインアップしており、「UD7006」は末弟にあたるモデルである。しかしそのスペックを見ると、単なる普及モデルではない、高いクオリティーとインテリジェンスを持ち合わせていることが分かる。
まずはBDプレーヤーとしては、3D BDビデオをはじめ、ネットを活用する「BD Live」や特典映像を子画面で視聴できる「BONUSVIEW」にも対応。加えてIP変換や、DVDなどのSD映像をHD化するアップスケーラーも搭載する。またHDMIに関しては、「Dolby TrueHD」や「DTS-HD Master Audio」などのHDオーディオとともに、Deep Colorやx.v.Color、CECコントロールなど、HDMIバージョン1.4aに相当する機能が盛り込まれている。
再生可能メディアは多彩だ。「UD」という製品名が示すとおり、UD7006はユニバーサルプレーヤーであり、対応メディアは、BDビデオ、DVDビデオに加えて、AVCREC/AVCHD録画したDVD-R/REのほか、SACD、DVDオーディオにおいてはマルチチャンネル再生も可能となっている。なかでもSACDは、搭載する192kHz/32bit対応DACのバーブラウン製「PCM1795」がPCMだけでなくDSD信号にも対応することから、よりピュアなサウンドを実現しているという。
このほかにも、アナログ音声回路に独立した専用基板に配置し、ビデオ回路やデジタルオーディオ回路からの干渉を排除。エルナー製電解コンデンサーや、自社開発メカモジュールをはじめとする高品位パーツを採用しつつ、ノイズの原因となるパートの電源を部分的にカットするピュアダイレクト機能を搭載するなど、音質向上のためにさまざまな工夫が盛り込まれている。マランツらしい、音質にこだわったプレーヤーといえる。
さらにUD7006は、ユニバーサルプレーヤーとしてでなく、ネットワークプレーヤーやUSBメモリプレーヤーとしての機能も持ち合わせている。USBメモリプレーヤーとしての機能は、フロントパネルに用意されているUSBコネクターを使用する。こちらもネットワークプレーヤーと同じファイル形式を再生可能だ。
一方ネットワークプレーヤーとしては、DLNA機能を搭載、家庭内LANのPCやNASにある映像や音楽、写真を再生することが可能となっている。ファイル形式もMPEG/WMV/AVI/DivX/DivX Plus HD動画、MP3/AAC/WMA/WAV音声に対応し、You tube映像も直接再生することができる。また、後日ファームウェアのアップデートによりDTCP-IPにも対応する。つまりDLNA/DTCP-IP対応のBDレコーダーなどに録画したデジタル放送番組がLAN経由で再生可能となる予定だ。
今回は、三菱製の3D対応フルHDプロジェクター「LVP-HC9000D」と組み合わせて、わが「極小シアター」に設置して視聴を行った。440(幅)×109(奥行き)×330(高さ)ミリというボディーは、単体プレーヤーとしてごく一般的なサイズであるものの、109ミリという高さのおかげもあって、置き場所に困るということはまずない。逆に、音質にこだわっているUD7006の実力を発揮させるためにも、AVラックなどにきちんと収めてあげたいところだ。
何よりも、スタイリッシュなフロントパネルがとても好印象だ。近年のマランツは、両サイドをラウンドさせた「M-1デザイン」を多く採用しているが、UD7006のようにボディカラーがブラックであっても造形の美しさは変わらない。思わずAVアンプなども同社製品でそろえたくなる、そんな魅力あるデザインだ。
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