配線に関しては、一般的には電源とHDMI、LANケーブルの3つで事足りるのでとても手軽だ。今回の設置では使用したわが家のパイオニア製のAVアンプ「SC-LX71」が3Dコンテンツに対応していないため、アナログマルチチャンネルで接続することになったが、それを含めても大した手間ではなかった。後ほどサウンドチェックの項目にて詳細は語るが、HDMI出力が1系統しかなく音声専用の出力として使えないことや、逆にアナログ音声出力の優秀さが際立つ場面もあったので、こちらは積極的に使ってほしいところでもある。
セットアップメニューに関しては、メニューがグラフィカルなうえ、項目も分かりやすく整理されていて結構使いやすかった。You tubeやメディアプレーヤーがワンキー、もしくはオーバーレイ表示で簡単に選択できると完璧だが、さすがにそこまでは求め過ぎかもしれない。
まずは映像のチェックからスタートしよう。BDビデオを再生すると、一般的なBDレコーダーとは一線を画す、緻密で階調の豊かな映像を楽しむことができる。色合いに派手さはないものの、中間調のニュアンス表現が細やか。それでいてダイナミックレンジが広めに確保されているため、精細感の高い、クリアで空間表現の良好な映像を楽しめた。いっぽうでDVDビデオからのアップコンバートは、解像度感の向上はそれなりにあるものの、かえってDVDメディアの限界を感じてしまう印象が残った。良い意味でも悪い意味でも、映像ソースの実力を素直に反映するプレーヤーといえるだろう。
続いて音声のチェックを行った。UD7006では、HDMIのほかに同軸デジタル、ステレオアナログ音声出力、マルチチャンネルアナログ出力の計4系統が用意されているが、注目はアナログマルチチャンネル出力だ。CDでは少々線の細さが目立っていたものの、SACDではニュアンス再現の良さ、解像度感の細やかさが見事にマッチして、なかなか冗舌な音楽表現になる。空間表現も上手で、BD「300」を見るとHDMIに対し多少ダイレクト感や音のキレが弱まるものの、サラウンド感や音の奥行き表現などはかえってスムーズで自然に感じた。ステレオのアナログ出力に変えるとさらにピュアさを増し、同軸デジタルでは低域の力強さが加わる印象に変化したが、その差は好みの範疇といえるレベル。今回のシステムでは(SC-LX71が3D非対応ということもあって)マルチチャンネル・アナログ出力を使用するのがベストだったが、HDMIも含め、好みによってどれをチョイスしてもかまわないだろう。
このように、音声クオリティーにはさほど不満はないのだが、唯一残念に思ったのがDLNA再生における対応フォーマットの少なさだ。FLACやアップル系のフォーマットが再生できないのは致し方ない部分もあるが、WAVでも最高48kHz/16bitまでというのは、いまやひと昔前の対応レベル。これからは96kHz/24bitや192kHz/24bitの音楽ファイルが増えてくるだろうから、今後の製品ではこのあたりのアップグレードに期待したいところだ。
いずれにしろ、3D非対応のAVアンプを所有し、SACDマルチチャンネルなども再生したいという人には、うってつけの製品だといえる。CDやSACDだけでなく、音楽ライブBDなどをよく見るという人にもお勧めしよう。
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