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パイオニア「VSA-LX55」で確認した「フェイズコントロールプラス」の有用性山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」(2/2 ページ)

» 2011年08月12日 12時52分 公開
[山本浩司,ITmedia]
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 ジョナサン・モフェットのパワフルなドラミングが聴けるBD「This is it/ マイケル・ジャクソン」を例にとると、LFEchの時間遅れは約9ミリ秒。そこで本機のフェイズコントロールプラスを使ってこの遅れを補正してみると、深く沈むキックの量感がぐんと増し、よりいっそう切れ味のよいドラムサウンドが楽しめるようになった。まさにその効果は劇的。これまで何を聴いていたんだろう? と思わせるほどの違いだった。

HDMI入力は6系統、出力も2系統を装備

DLNA1.5を活用したネットワークオーディオ機能

 それから、もう1つ。このAVアンプが値段が2倍以上のSC-LX83よりも魅力的なのが、DLNA1.5を活用したネットワークオーディオ再生機能だ。LX83にもこの機能は搭載されていたが、対応するデジタルファイルのレゾリューションがWAV、FLACともに48kHz/16bitに限定されていた。それがこのLX55はなんとWAV、FLACともに192kHz/24ビットという現状考えられる最高レベルのハイレゾリューション・ミュージックファイルの再生が可能なのである。

DLNA以外にも「AirPlay」などさまざまな音楽データ再生機能を持つ。フロントパネル内にはiPod/iPadなどを直接デジタル接続できるUSB端子を装備

 最近、CDフォーマットを超えるこのハイレゾファイルのインターネット配信が急増している。海外サイトだが、とくに「HD Tracks」のラインアップが見逃せない。ワーナー系などメジャーレーベルの旧譜が96kHz/24bit、192kHz/24bitのFLACファイルで配信され始めたり、ぼくの好きなアーティストの新譜が思いがけずハイレゾでアップロードされたりしていて、定期的に届く同サイトのお知らせメールを隈なく注視している今日この頃だ。

 本機のLAN入力に手持ちのNASをつないで、HD Tracks のサイトからダウンロードした「ホワッツ・ニュー/ リンダ・ロンシュタット」(192kHz/24bit FLAC)や「バンド・オン・ザ・ラン/ ポール・マッカートニー& ウィングス」(96kHz/24bit FLAC)などを聴いてみたが、スタジオマスターを彷彿させるじつにスケールの大きなハイファイ・サウンドを聴くことができ、おおいに驚かされる結果となった。

 より価格の高い国産専用ネットワークプレーヤーが96kHz/24bit超のハイレゾファイルに対応していない現状を考えると、本機の凄さ、ありがたさを痛感する。HDオーディオのサラウンドサウンドだけではなく、ハイファイのハイレゾファイルにしなやかに対応したAVセンター「VSA-LX55」は、多くの読者に注目していただきたいと思う。

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