8月1日に「Ustream」と「ニコニコ生放送」で同時に放送した「ITmedia スマートテレビ研究所第一回シンポジウム」。乙武洋匡氏をMCに迎え、AV評論家の麻倉怜士氏と本田雅一氏、ゲストとしてITジャーナリストの松村太郎氏とガジェット好きの“ガジェッティーヌ”こと、女優のいとうまい子さんに参加していただきました。その模様をすべて公開します。前編、中編と合わせてご覧ください(以下、敬称略)。
乙武 では、ここで2回目のリアルタイムアンケートを行ってみたいなと思います。Ustream、ニコニコ生放送をご覧のみなさまにお答えいただければと思っていますが、今回のアンケートは実際、「テレビを見ているときに、スマートフォンやタブレットを使っているかどうか」。今、いとうさんのお話の中でも、例えば、なでしこ(なでしこJAPAN)の試合を見ているときに、スマートフォン片手にTwitterをやりながらテレビを見る、なんて方もいらっしゃったんじゃないかと思いますが、実際にどれくらいの方がそういうことをなさっているのかということをお聞きしてみたいと思います。
では、今回も4択でお答えいただければと思います。1つが「使っている」。それから「使っていない」。「今はそんなに使っていないけれども、今後使ってみたい」。そして「どうやって使ったらいいのかよく分からない」という4つでお答えいただければと思います。今回もまた3分間の間に答えていただけたらと思います。それでは、よろしくお願いします。
というわけで、視聴者のみなさんに3分間お答えいただいている間に、僕らの方でも聞いていきたいと思うんですが、松村さんはどうですか? テレビをご覧になりながらスマートフォンというのは。
松村 やっぱり持ってますよね、タブレットなりスマートフォンを。最近、テレビの作り方もちょっとずつ変わってきているような気がしてまして、例えば、深夜の時間帯って、とある映像系のレーベルがその時間の広告枠を買って、それでコンテンツをスポンサードしているんですが、それでDVDやBlu-ray Discの販売というところまで、一括でコンテンツ制作することに力を注がれているような、視聴者から見るとそういうような見え方をしているんです。
お笑いとかアニメとかそうなんですけど。深夜の時間帯に流れているので、その時間に見られないという人ももちろんいると思うんですけど、でも、やっぱりその時間に見ていると、番組のハッシュタグがTwitterにも勝手に付いていて、それでバーっと流れていて一緒に盛り上がりながら、「あそこは、このシーンはどうだ」とか「あのネタはないだろう」みたいなようなディスカッションがすごい交わされているんですよね。だから、ちょっと見方が変わるというのは、すごくあるなと思っていまして、ま、楽しみ方としては、割とケータイなんかでも多くの人が体験していることなんじゃないかと思ったりしてます。
本田 そのあたり、参加できる人と、できていない人といるじゃないですか。スマートフォンを持っている人はかなりの数の方が参加していて、サッカーでゴールが入ったといったら、ものすごくタイムラインがドワーっと流れていく、あれもすごく醍醐味(だいごみ)だったりするわけですけど、シャープさん、ちょうど今回のテレビ「L5」という今、後ろにあるテレビですけど、このときから「AQUOS City」というコンテンツをやりはじめて、Webのコンテンツなんですけど、映像を見ながら色々なニュースのティッカーだとか、色々な情報が入るような感じになっているんですね。
なので、将来的にスマートフォンとかと連携していくというのは、もちろん将来像としてあるんだけれど、その間のブリッジとして、テレビ自身でじゃまにならないように、つまり、テレビ見るのにじゃまになったら困るんだけど、そのじゃまにならないように、何かインフォメーションを見せていくとか、そういう機能、シャープさんもトライされていますけど、そういった2つの方向で考えていった方がいいのかな、というのもちょっと今、思いました。
いとう じゃまにならない、ね。それはいいですね。自分で選べればいいですよね、例えば。CMとかそういうものは見たくない(一同笑)、分からないですけど、ツイートとか何か、そういうものは見たくないならば、ちょっと横に小さくできて、見たい人は大きくしてとか、自分で操作できるような。番組の間に入ってくるCMはムリですけどね(笑)。でも、そういうこと。
松村 そうですよね。それこそ、スマートフォンでスッとやったら画面にタイムラインが出て、またスッとやったら手元に戻ってきて、とかができればいいですよね。
いとう テレビを持っている人が全員一律で見えてしまうと、それはそれでやっていない人にはつまらないことになると思うので、自分で操作することで表示されるならば、なおいいですよね。
麻倉 今ね、メーカーに提案しているんですけど、テレビの新しい形ってなんだろうと。「新しい形って新しい形なんじゃないの?」って提案しているんですよ。なにかというと、4:3が16:9になって横長になりましたよね。これは20年くらいなったけれど、実はシネスコの映画というのは、もっと横長なんですよ。シネスコの映画って結構Blu-ray Discの中で多いので、それをそのままフルで見ようとすると、16:9じゃ真ん中しか見られないんですね。ということで、21:9というのを提案しているんですよ。
要するに、すごく横が長いテレビ。すると、21:9の映画を見るときには、全部使えばフルシネスコになります。ところが、16:9の番組がありますよね、ま、ほとんどテレビはそう。すると、ここ(端)が空きますよと。ここを情報エリアとして常に開けておく。16:9の中でPMPとかやると、どうしても絵がなくなっちゃうんですけども、絵は完璧に殺さず生かしておいて、情報エリアを常に持ちましょうね、という提案をしているんですね。これがやっぱり、今は仕方がないから2スクリーンになっているところがあるんですよね。だけども、21:9がもしできるんだったら、ここは完全に取っておきましょうというわけで、つまり、コンテンツが死なないというのがいいんですよ。2スクリーンになると、どうしても死ぬところがあるんですよ。自分はこっち(手元)見てると、こっち(テレビ)見られませんから、こうなりますから。あと、目の焦点がやっぱり合ったり合わなかったりするんですよね。結構難しいんで、やっぱり同じ方向を向きながら同時に情報を見られるというのは、「1つそういうようなソリューションがあるんじゃないの?」ということを今、提案しています。
本田 確か、シネスコサイズのテレビが、もうどこか出していますよね。
麻倉 ヨーロッパでね。
本田 フィリップスさんが確か……
麻倉 ただ、まだ少数だけど、目的意識を持ってあれを使えば、もっと行くと思います。
乙武 さて、ここでアンケートを締め切らせていただきたいと思います。たくさんのご回答、ありがとうございました。また、集計でき次第、みなさんにご紹介したいと思いますが。そうか。確かに今、麻倉さんもおっしゃっていたように、忙しくなっちゃいますよね。共有するという意味では確かにスマートフォンなどを使いながら一緒にその番組を共有できるというのはいいかもしれませんが、なんか番組本来の楽しさへの集中力がそがれてしまうというような部分があるのはもったいないなと思うので、そのあたりが1画面になるということで解決できたら、より楽しめますよね。
麻倉 そういうスマート的な使い方、プラス、「より大画面で映画が楽しめるじゃん」という部分もいいと思いますね。
乙武 とくに、いとうさんが先程おっしゃってくださったサッカーの試合を見ながら、なんてときは、スマートフォンを見ているうちにゴールが決まっちゃったりするかもしれないですからね(笑)。
今、アンケートを集計していただいていますけど、どれぐらいの方が使っているのか。また、使っていない方が、そういうことを「やってみようかな」と思うには、どんな工夫が必要になってくるんですかね。
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