「ひかりTV」を運営するNTTぷららは10月12日、年内をめどにスマートフォンやタブレット端末を対象とした定額見放題プランを提供すると発表した。月額350円もしくは1000円でVODコンテンツを視聴できる。
事業説明会でNTTぶららの板東浩二社長はまず、「2011年は3月の東日本大震災の影響で一時営業活動を自粛したものの、9月末時点で契約数は165万件を突破した。当初計画の2012年3月末時点で190万件に向けて順調に推移している」と近況を説明した。
ひかりTVは、NTT東西地域会社の光回線で安定した画質と音質を実現した動画配信サービス。現在は地上デジタル放送の再送信を含む全96チャンネルの「テレビサービス」があり、このうち73チャンネルがハイビジョン画質となっている。またユーザーが見たいコンテンツを選べる「ビデオサービス」では映画やドラマ、アニメなど約3000本を用意。さらに在京キー局すべての動画配信サービスに対応したため、地上波のドラマやアニメの“見逃し視聴”も幅広くカバーできるという。
「ビデオオンデマンドの視聴件数は、2011年度上期で月間2000万/月。前年同期比で4割増と堅調。ユーザーがそれぞれのライフスタイルに合わせ、“見たいとき”に“見たいもの”を見る傾向が顕著になっている」(板東氏)。
一方、スマートフォンやタブレット端末の急速な普及を受け、今年8月からモバイル機器向けの動画配信にも乗り出した。現在は、テレビ向け映像配信のオプションとして、ひかりTVのVODコンテンツをモバイル機器で視聴できる「ひかりTVどこでも」を提供中。「マルチスクリーンサービスとして8月にスタートし、現在はiOSおよびAndroid端末の全30機種が対応済み。今後はPCにも広げる」(板東氏)。
今回発表されたモバイル専用プランは、「ひかりTVどこでも」をさらに一歩進め、対応するモバイル機器とインターネット回線さえあれば、誰でも加入できるプランになる。光回線や専用チューナーといったハードルをなくし、加入者増につなげたい考えだ。
予定されているプランは2種類で、このうち「すまほバリュープラン」は、月額1000円で数千本のVODコンテンツが見放題。もう1つの「すまほエントリープラン」は、月額350円で数百本のVODコンテンツを見ることができる。各プランで視聴できる具体的なタイトルは明らかにされていないものの、ひかりTVで9月にスタートしたAKB48初の本格コント番組が含まれることは決定済み。板東氏は、「月額1000円で見放題ならHuluにも対抗できる」と自信を見せた。なお、コンテンツの解像度は480P〜720Pで検討しており、ビットレートも帯域幅によって可変となる見込みだ。
端末としては、iOS 4.3以降の「iPhone」や「iPad」に加え、NTTドコモのLTE「Xi」に対応した富士通「ARROWS Tab」、東芝の「REGZA Tablet」などが挙げられている。さらにNTTドコモのAndroid搭載スマートフォンなど30機種程度まで順次拡大する予定だ。なお、ARROWS Tabには専用アプリがプリインストールされるという。
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