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タブレットはもう、小さなスマートテレビ――東芝、本村氏に聞くCEATEC JAPAN 2011(1/2 ページ)

» 2011年10月07日 20時37分 公開
[ITmedia]

 「CEATEC JAPAN 2011」開幕に先立ち、4K対応テレビや“レグザサーバー”など、注目の新製品を一挙に発表した東芝。同社が掲げる「REGZA WORLD」は、PCやAVといった製品ジャンルの垣根を越え、新しい利便性を提供するというもの。既存の製品ジャンルにはこだわらない同社の姿勢は、ビジュアルの世界にどのような影響を及ぼすのだろうか。各製品の位置づけと役割について、REGZAの商品企画を担当する本村裕史氏に話を聞いた。

CEATEC JAPANの東芝ブースで

――まず「55X3」ですが、今回は“大型のグラスレス3Dレグザ”ではなく、裸眼3D機能付きの4Kテレビという形で発表されました。4Kがメインと考えてよいのですか

本村氏: そうですね。発表資料などを見ると分かりますが、「55X3」は“グラスレス3D搭載4倍画素QFHDモデル”ということになります。主軸は4Kです(QFHD:Quad Full High Definition、3840×2160ピクセル)。

 テレビにはさまざまな進化軸がありますが、高画質化はその中でもっとも重要です。中には「フルハイビジョンで十分、もうこれ以上の高画質化は必要ない」といった意見もありますが、テレビというのは高画質を追い続けるもの。見た人に感動してもらうことが主題ですから、高画質化はとまりません。そして2Kから4Kへの移行は、テレビの進化ベクトルにおいて、“ど真ん中”に位置しているのだと思います。

「55X3」と発表会のプレゼン資料。「55X3」は、“グラスレス3D搭載4倍画素QFHDモデル”となっている

 実際の画面を見ると、SDからHDに変わったときよりも感動しますよ。例えば、テレビの最適視聴距離は、SDの時はけっこう遠かったのです。それがHDになると3H(高さの3倍)と近くなりました。これは画素が画素として見えないぎりぎりのライン。つまり、4Kになるともっと近くてもいいわけです。近づけば近づくほどきれいに見えるというのは、リアルの世界と同じ。まるで生写真を見ているようです。これは感動です。

 一方の3Dは、この時代に生まれたすばらしいフィーチャー、つまり機能です。でも4Kは、機能ではなくて“進化”。ちょっと違いますよね。

――しかし、4Kのコンテンツはまだほとんどありません。どう見通していますか?

本村氏: おそらく2011年の「CEATEC JAPAN」は、4Kのスタートであり、2012年が“4K元年”といわれることになるでしょう。まず4Kのネイティブコンテンツという点では、東芝ブースで展示していますが、「ひかりTV」を運営するNTTぷららさんが、4K動画コンテンツ配信の検討を始めています。もうすぐ4Kの時代がくることは確実であり、時間が解決すると考えています。

「ひかりTV」は自社製作の番組を4Kカメラで撮影するなど、4K動画配信サービスを検討中だ(左)。フルHD映像にFFHD超解像技術を適用した映像。その映像はCEATEC会場でぜひ確認していただきたい(右)

 でも、待つ必要もありません。現時点でも十分に楽しめます。

 すぐにコンテンツがほしければ、まずは写真です。今まではデジタルカメラなどで撮影した画像を外画面テレビで見るという行為は、どちらかといえば亜流でした。しかし(高画素のデジ一眼が普及した今)、4K×2Kの解像度を持つテレビで高解像度の写真を見ることは本流になります。自分が撮った写真をあのサイズで、それも4Kの緻密(ちみつ)な画面で見るとすごく感動します。また、家庭用ムービーの進歩も早いですから、すぐそこに4K映像を自由に扱える時代が来ていると思います。

 Blu-ray Discを「QFHD超解像技術」で見るのもオススメです。後処理でリアリティーを追求する技術はさまざまですが、エッジエンハンス(輪郭強調)ガリガリではなく、自然で美しい映像を実現するという点において、QFHD超解像技術はスタートといえるかもしれません。これまで見えなかったものが見えてくる。これが4K時代です。

 4K時代では、撮影の手法も変わってくると思います。実際にBlu-ray Discを見ると、カメラ撮りや編集のクオリティーがすごく反映されます。編集や圧縮で高域がカットされていたりすると、(高画質処理による)復元領域が狭くなってしまい、結果にもシビアに現れます。逆にしっかり撮影していると、しっかり見えてくる。4K時代では、制作者のクオリティー意識も問われることになると思います。

――次に「レグザサーバー」開発の狙いを教えてください

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