例えば、長時間録画のAVCエンコーダーが2つしかないため、3番組同時録画などを行う場合はすべてがリアルタイム変換とはならず、1番組は「あとから変換」となってしまう。また、AVC録画中の番組を再生すると、リアルタイム変換から「あとから変換」へ切り替わってしまうのも先代と同じ。自動チャプター機能に関しても、1番組は電源オフ時に作業を行うようになっている。4番組とまではいわないまでも、せめて内蔵チューナーで録画できる3番組はリアルタイム変換に対応してほしかったところだ。
一方、外付けUSB HDD対応に関しては、直接録画に対応していることはもちろん、シリーズ番組の毎週録画やDLNA配信にも対応するなど、他社より高機能な部分がある。一方、さらなる進化を望みたいポイントとして、例えば同時接続できるUSB HDDは1台(登録は8台まで可能)まで、あとから変換はできるものの録画はDR形式のみという枷は少々残念だ。次の世代では、さらに柔軟なシステムに進化してくれることを期待したい。もっとも、内蔵HDDの容量が3Tバイトもあり、DRモードでも約270時間(BS)、最も圧縮度の高い15倍(HZ)モードを利用すれば約4050時間もの録画が行えるため、多くの人は十分だと感じるかもしれない。
ネットワーク機能に関しては、とくに新しいトピックはない。ディーガの録画番組を、ネットワークでつながったビエラなどの対応機器で楽しめる「お部屋ジャンプリンク」に対応しているのは先代と同様。無線LANを内蔵しており、配線の手間なく別室のテレビでも録画番組を楽しめることに変わりはない。また、アプリを追加して機能拡張できるクラウド型インターネットサービス「ビエラ・コネクト」や、専用カメラをつなぐことでビデオ通話が可能になる「Skype」対応(しかも留守録機能付!)、アクトビラ、You tube対応など、豊富な機能性もそのまま受け継がれている。このあたりは、すでに便利な機能が多々あるため、既存の内容でも十分に魅力的だといえる。
機能性にも増して、ディーカーならではのアドバンテージといえば、やはり使い勝手の良さだろう。「DMR-BZT9000」では、さらに扱いやすさを向上すべくGUIを一新、各機能をタイル状ボタン配置にした「新スタートメニュー」を採用している。こちらは各項目を文字と分かりやすいイラストで表記しているため、レコーダー初心者にも扱いやすい。
従来のメニューも比較的カラフルだったものの、機能面重視の素っ気なさがあった。今回は、この進化は大いに歓迎したい。1画面に9項目というのは少なすぎる気もするが、ボタン配置などはある程度カスタムができるため、グラフィカルにしたためかえって使い勝手が悪くなった、ということもない。ただし、階層が深くなると旧メニューと同じ表示になる項目もあり、まだまだ進化の途中といった印象も受けた。ぜひともこのまま「オールリニューアル」したメニュー体系に挑んで欲しいところだ。
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