新しいパネル技術で大きく盛り上がった「2012 International CES」だが、一方で当初大きく取り上げられていたものの、実際の展示の段階になってはそれほど盛り上がらなかったと感じられたのが「Google TV」だ。2011年秋にAndroid Marketへの接続機能がサポートされた第2世代Google TVは、CES開催直前の1月初旬の発表で新たにLG、Samsung、Vizio、Marvell、MediaTekの参入が発表されている。
一方、第1世代Google TV「Revue」の大量在庫による損失を抱えたLogitechが事実上の撤退を表明したほか、戦略転換でIntelがチップセット供給から降りている。そのため、第2世代Google TVではMarvellとMediaTekの2社がARMベースのプロセッサを供給するスタイルへと移行するとみられ、今後ソニーを含む関係各社は、これら2社のチップセットを利用する形になるだろう(LGは“L9”という独自のチップセット利用を表明している)。興味深いのは、Marvellが提供するデュアルコアのARMプロセッサの原型になっているのは、以前にIntelが同社に売却した「Xscale」(旧名:StrongARM)であり、皮肉にもIntelに代わってMarvellがチップセット供給を引き受ける格好になったわけだ。
さて問題のGoogle TVだが、正直なところCESでの展示は微々たるもので、来場者の反応もそれほど芳しくなかった印象だ。CES開始直前にプレスや関係者向けの「Unveiled」という展示会が開催されていたのだが、そこでもMarvellの展示していたGoogle TVのリファレンスに関する取材を行っていた報道関係者は少なく、それほど注目されていない印象を受けた。実際に製品展示を行っていたのも第1世代から製品提供を行っているソニーとLGのみで、参入を表明したはずのSamsungからはとくにアナウンスがなかったほどだ。メーカー側も“数ある展示の1つ”といったスタンスでGoogle TVに望んでいるようだ。
だが、“スマートテレビ”そのものに対してメーカーが冷たいわけではなく、むしろSamsungやパナソニックなどは積極的にスマートテレビを前面に押し出した展示を行っていた。Samsungはアプリとコンテンツ、パナソニックはデバイス間接続を主眼としているなど多少の違いはあるが、展示スペースから判断してもスマートTVが今回の主役の1つである点は間違いない。実際、各コーナーで積極的に展示員に質問を投げかける様子が見られたのもスマートテレビコーナーで、来場者の関心はそこそこ高かったように思う。
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