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“真空管ならでは”の美音にうっとり、マルチに使えるプリメインアンプ──FOUR CHANNEL「AF-02」野村ケンジのぶらんにゅ〜PCオーディオ Review(1/2 ページ)

» 2012年02月13日 14時00分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]
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USB DAC+ヘッドフォンアンプ+アナログ入力+USB直接再生 マルチに使えるオールインワンプリメインアンプ

photo FOUR CHANNEL「AF-02」。国内代理店WiseTechの直販サイト価格は3万2800円(税込み)だ

 「真空管」。それは不思議な部品だ。

 以前「DN-SE84i」でも紹介したが、最近、真空管を使ったPCオーディオ向けのデスクトップ製品が人気を集めている。その理由を察するに、1つはオーディオ製品だと一目で分かる愛らしいスタイル、そして、手ごろな価格帯(近年の真空管アンプは、目が飛び出るほど高価な製品が大多数だった)、いわゆるコストパフォーマンスの高さによるものだろう。

 実際、真空管は増幅装置としての機能性はICだけでなくトランジスタにも劣るし、耐久性に関しても手放しで褒められるレベルではない。しかし、こと音楽信号の増幅に使うと、これまた相性がいい。しかもクラシックなど昔からある音楽だけでなく、J-POPをはじめとするフルレンジスピーカーでも目立つ音に仕上げられたクセの強いサウンドのジャンルですら、それなりに心地よい響きで聴かせてくれるようになる。

 今回紹介するFOUR CHANNEL「AF-02」も、そんな真空管を使った製品の1台だ。カテゴリとしてはデスクトップ用プリメインアンプに属し、USB DAC機能のほかに、USBメモリ接続用のUSBポート、SDメモリーカードリーダー、アナログRCA入力、ステレオミニ入力などを備え、あとはお気に入りのスピーカーを用意するだけでさまざまな音楽ソースを楽しめるオールインワンモデルとなっている。

 詳細に目を向けよう。真空管アンプとはいっても採用は入力段のみで、出力段にはICを使う、いわゆるハイブリッドタイプだ。ちなみに入力段に使われている真空管は「6C3」というオーディオ用としてはあまりなじみのない型番だが、チャンネルごとに1本、計2本を搭載する点などを見る限り、クオリティには少なからず気を使っているようだ。

 USB DACとしては、サンプリング周波数/ビット数が最高48kHz/16ビットまでと標準的な仕様だ。PCにはドライバ類のインストールなしに標準USBオーディオデバイスとして認識される。また、SDメモリーカードおよびUSBメモリからMP3データを直接再生できる。実際に試してみたところ、残念ながらWAVやAIFFといった非圧縮形式のファイルは再生できなかった。

 ボディサイズは200(幅)×135(奥行き)×95(高さ)ミリと、オールインワンモデルのわりに比較的コンパクトなサイズに抑えられている。つやのあるブラックのボディはそれなりの質感があり、真空管まわりのガードもアクリル板と金属ステーを使った独特の造形だが、どことなく無骨さを感じるスタイルだ。その素朴さがかえってよいと思える。

 PCとUSB/SDスロットは右側面、アナログ2系統の入力端子とヘッドフォン出力は背面に、スピーカー出力端子は上面、トランスの後ろに上向きで配置されている。こちらはバナナプラグ対応なのが喜ばしい。入力切り替えは「PC USB」「USB/SD」「AUX」「mini AUX」の4つで、単体再生を行うUSBメモリとSDメモリーカードは排他で使用することになる。

photophoto 入出力系統がかなり豊富。スピーカーターミナルはバナナプラグ対応だ。USBメモリ/SDメモリーカードにあるMP3ファイルを直接再生できる機能も備えている

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