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“真空管ならでは”の美音にうっとり、マルチに使えるプリメインアンプ──FOUR CHANNEL「AF-02」野村ケンジのぶらんにゅ〜PCオーディオ Review(2/2 ページ)

» 2012年02月13日 14時00分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]
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サウンドの特徴:和音の響きが美しい。真空管ならではの美音を奏でる

 試聴は、ブックシェルフスピーカーのELAC「BS52.2」と、モニターヘッドフォンのAKG「Q701」で行おう。

photophoto 今回の試聴に用いた、ブックシェルフスピーカーのELAC「BS52.2」とモニターヘッドフォンのAKG「Q701」
photo 真空管は「6C3」を左右に2本、入力段に使用する

 スピーカーでのサウンドは、イントネーションがていねい、それでいてキレが悪くない、小気味よいサウンドが楽しめた。よい意味でイージーリスニング的な音色傾向といえる。解像度感こそそれほど高くはないものの、和音の響きが美しく、演奏にとげとげしさがない。

 ピアノやアコースティックギター、ウィスパー系の女性ヴォーカルなどに相当向いており、ロック系も過激なハードものでなければ結構いける。パンクなどは上品すぎて荒々しさが物足りないと感じる人は少なからずいそうだが、キレのよいスピーディーさも持ち合わせているので、やはり大きな不満は感じないと思われる。

 ヘッドフォンでは、ていねいさが際立つ音作りはそのままに、少しだけキレがよくなった印象を受けた。解像度感は変わらないものの、付帯音がきゅっと締め上げられたおかげで、フォーカス感が多少高まり、音のヌケが一段とよくなった。生き生きとした音を出すにはヘッドフォンアンプ側にかなりの実力を求めるAKG Q701が、何のためらいもなく朗々(ろうろう)となってくれている。この駆動力の高さはなかなかのアピールポイントになるだろう。

 「AF-02」は、真空管ならではの美音をしっかり自分のものとしている。かなりできのよい製品と評価できる。好みのスピーカー(アンプ非搭載/パッシブ型スピーカーやヘッドフォン)を用意するだけですぐに音が出るオールインワンタイプいうメリットもあるので、はじめからかなり高品位なレベルでPCオーディオをはじめたい、そして真空管の音色/渋さ/懐かしさ/デザイン性に興味・物欲が沸いたという人にかなりマッチする実力を備えている。


音質評価  
解像度感 (粗い−○−−−きめ細かい)
空間表現 (ナロー−−○−−ワイド)
帯域バランス (低域強調−−○−−フラット)
音色傾向 (迫力重視−−−○−質感重視)



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