DLNA対応でPCオーディオの新たな使い方を──。今回は無線LANを内蔵するワイヤレスアクティブスピーカー、オンキヨー「GX-W100HV」をチェックする。
本機は、ベースモデル「GX-100HD」(2007年11月発売)とデザイン、サイズともにまったく同じボディを採用する。リングツイーター(3センチ径)+12センチウーファー(A-OMFコーン)の2ウェイ構成で、96kHz/24ビットのハイレゾ音源に対応する光デジタル入力を搭載、最大出力15ワット+15ワット(4オーム)、定格周波数範囲 50〜100kHzなどの共通部分がある一方で、パルス性ノイズを大幅に抑制するという15ワット×2出力の「VLデジタルアンプ」を新たに採用した。
そして、本機最大のアピールポイントとなるのが無線LANの搭載で「ワイヤレススピーカー」になる点だ。2.4GHz帯IEEE802.11b/g/n準拠の無線LANモジュールを内蔵、そしてDLNAクライアント機能を備え、DLNAサーバ機能のあるPCやスマートデバイスなどに保存する音楽データを無線LAN経由でワイヤレス再生できる機能を搭載する。無線LANを搭載することで、“PCオーディオ利用において、より便利に、より活用の幅を広げた”高品位志向のアンプ内蔵スピーカー、というのがGX-W100HVのキャラクターを端的に表す表現といえる。
ボディはスタンダードなボックス型で、つや消しブラックの塗装が施される。サイズは140(幅)×260(高さ)×194(奥行き)ミリ(右側の場合。左側はアンプ操作部がない分、奥行きは180ミリと少し短くなっている)で、机上やPCの左右に置くサイズとしてはそこそこ収まりがよい。
ただ、ワイヤレス機能もあるということで、より範囲を広げてルームオーディオとしての活用するもアリだ。光デジタル入力とともにリビングルームの薄型テレビと接続し、場合によってDLNA機能でPCの音楽データをワイヤレス再生にも利用するのもいいかもしれない。いずれにしても、ずいぶん活用の幅が広げられるモデルと思える。
無線LANの接続設定はWPS(Wi-Fi Protected Setup)で行う。WPS/プッシュボタン方式をサポートする無線LAN親機により、ノートPCやスマートフォンなどを接続するのと同様に接続する(据え置き型の現行モデルはたいてい対応しているが、旧タイプやポータブルルータ型の一部にはWPSを備えないモデルもあるので注意したい)。例えばNECアクセステクニカ「AtermWR8600N」では本体のらくらく無線スタートボタンを押し、続いて本機背面の赤い「connect」ボタンを押すことで無線LANの接続設定が行える。
ワイヤレス再生モードで対応する音楽ファイル形式は、MP3(32k〜320kbps VBR/CBR)、AAC(拡張子aac/m4a 32k〜320kbps VBR/CBR)、WAV(44.1kHz・88.2kHz/16ビット)の3種類、対応サンプリングレート/ビットレートは44.1kHz・88.2kHz/16ビットとなる。DLNAでの配信になるのでPCの普段の音は出力できず、DTCP-IPは対応しないため著作権保護(DRM)ファイルの再生は行えない。また、オンキヨーが展開するハイレゾリューション音源配信サイト「e-onkyo music」が展開する96kHz/24ビットのハイレゾ音源には対応しないのは少し残念だ。
入力は無線LANによるDLNA経由のほか、光デジタル、アナログRCAを1系統用意する(出力はサブウーファー用RCA、3.5ミリヘッドフォン)。RCA−ステレオミニ端子変換ケーブルも付属するので、iPhoneやiPod、ウォークマンといったポータブル音楽プレーヤーも追加購入なく接続できる。接続するケーブル類も、電源、左スピーカーへの連絡ケーブル、あとは必要に応じて各入力を右スピーカーに備えるアンプ部へ接続するだけなので、基本的にはとても分かりやすい。
ボリュームやバスブースト、トレブル、入力切り替えといった操作系は右スピーカーの前面下部に集中している。ただ、入力切り替えととして前面にあるのはワイヤレス(無線LAN/DLNA)とその他の2モードのみで、デジタル/アナログ系の切り替えは背面のスイッチで行う。こちら、デジタルもアナログも任意に利用したい思うユーザーからすると、少し面倒に思うかもしれない。
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