東芝が10月下旬に発売するREGZA(レグザ)「Z7/J7シリーズ」には、新たにクラウドサービス「TimeOn」(タイムオン)が採用された。全録機能の「タイムシフトマシン」(Z7)や自動録画機能(J7)でHDDにため込んだ番組を、ネットワークを使ってもっと便利に使おうという提案だ。クラウドサービス開発のキーマン、東芝の片岡氏秀夫氏に話を聞いた。
TimeOnは、映像コンテンツのリコメンド、あるいはキュレーションに主眼を置いたクラウドサービスだ。コンセプトは、人とコンテンツをつなぐこと。「たくさんのコンテンツから、見たいものを選ぶのは意外と面倒なもの。人を一番見る気にさせるのは、他人から推薦された番組ではないでしょうか?」(片岡氏)。
TimeOnでは当初、大きく7つのサービスが提供される。
機能 | 概要 | 提供時期 |
---|---|---|
クラウドメニュー | リモコンの「クラウドメニュー」ボタンで起動するTimeOnの入り口。下記サービスのほか、既存VoDへの入り口も用意した | 10月下旬の本体バージョンアップが必要 |
みどころシーン再生 | 録画番組から見たいシーンを探すサービス。任意のキーワードに加え、ヤフーの提供の「検索急上昇ワード」などでピックアップすることもできる。検索結果から直接再生も可能だ | 10月下旬の本体バージョンアップが必要 |
タグリスト | 録画番組の再生中に「タグリスト」で頭出し。東芝の公式タグリストのほか、ユーザーが作成したタグリストも利用できる | 10月下旬の本体バージョンアップが必要 |
カレンダー | 複数機器の録画/視聴予約をカレンダー表示で集中管理できる機能。「RZスケジューラ」対応のレグザやRDシリーズが対象 | 10月下旬の本体バージョンアップが必要 |
伝言ボード | REGZA Tabletなどから書き込める、家族や友人同士のための伝言ボード。テキスト表示のほか、独自の音声合成技術「ToSpeak」(トゥースピーク)により、読み上げも可能 | 10月下旬の本体バージョンアップが必要 |
クラウドアルバム | デジカメ写真などをクラウド上に保存。テレビでスライドショー再生したり、REGZA Tablet上での閲覧などが行える。離れた場所にする親戚ともアルバム共有が可能 | 10月下旬の本体バージョンアップが必要 |
メッセージ | 友人とメッセージを交換する機能。番組情報を活用し、お気に入りの番組やシーンの情報をやり取りできる。当該番組がHDD内にあれば、メッセージから直接シーンを再生することもできる。予約情報の交換など機能追加も予定 | 2013年1月下旬スタート |
リモコンの「クラウドメニュー」ボタンを押すと、大きく3つに分かれた画面が現れる。左側に映像が表示され、中央には時計とカレンダー、右側には「伝言ボード」や「アルバム」「メッセージ」といった機能別のアイコンが並ぶ。見た目は他社のスマートテレビと大きな違いはないが、TimeOnでは、アプリ同士が有機的に連携する点が大きく異なるという。
「他社製の“スマートテレビ”と呼ばれる製品は、だいたい画面上に多くの(VoDやアプリの)アイコンが並びます。でも、それぞれに関連性はなく、実際にアイコンをクリックして見るまで何の機能があるのか理解しにくいものです。また基本的に単機能で、ほかのアプリと連動することもありません。対して、TimeOnにはアイコンを並べただけの画面はありません。すべてが連携し、より便利に使えるように設計しています」(片岡氏)。
例えば「メッセージ」では、単に友人とメールのやり取りをするだけではなく、気に入った番組のシーン情報や録画予約情報(予定)を交換できる。メッセージに記載されたシーン情報を選択すると、該当する番組の該当するシーンが再生される仕組みだ。
さらに面白いのは、クラウドサービスがユーザーに見えないところでアシストしてくれること。「メッセージでは、時間情報を添付ファイルとして一緒にやり取りします。ただし、遠方の友達から来たメールは、チャンネル(放送局)や放送時間が異なるかもしれません。その場合、メールを受け取ったデバイスに設定されているチャンネルにマッピングします」(片岡氏)。
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