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» 2012年12月26日 19時10分 公開

麻倉怜士の「デジタル閻魔帳」:今年もやります! 2012年版、麻倉怜士の「デジタルトップ10」(前編) (2/3)

[芹澤隆徳,ITmedia]

10位、デノンのAVアンプ「AVR-4520」

――では、トップ10に入りたいと思います。

デノンのAVアンプ「AVR-4520」。希望小売価格34万6500円

麻倉氏:第10位は、デノンのAVアンプ「AVR-4520」です。デノンは、春に登場した「AVR-3313」で音が飛躍的に良くなり、その後で登場した「AVR-4520」でさらに磨かれました。とくにCDをアナログ入力で聴くと、グラデーションがあってしなやかな音になります。とても本格オーディオのような音です。AVアンプの音を良くする動きは各社にありますが、デノンは従来の音から離れ、ピュア志向になりました。AVアンプの音が良くなったことを象徴する製品といえるでしょう。

 AVアンプの場合、チャンネルあたりの単価で安い上に、やはり新製品開発のポイントは新しいメディアへの対応など機能面がメインです。ある程度のレベルの音は出ても、なかなか音質まで手が回らない面がありました。しかし今年の新製品では、ピュアオーディオの設計者が企画の初期から参加し、電源の配置やアースの取り方など、ピュアオーディオのノウハウをかなり取り入れたそうです。担当者には、「なんでもっと早くにやらないの」と言いましたが、AVアンプも本気で取り組めば音が良くなることが実証されたのです。この勢いで来年もがんばってほしい、この水準をさらに上げてほしいと思います。ただし、音がピュア指向だけではだめで、映画コンテンツでの「激しさ」も再現できなければなりません。

9位、リンの「CLIMAX DSM」+AVアンプ

「KLIMAX DSM」。価格は252万円

麻倉氏:9位は、8月に取り上げたLINN(リン)の「DSMシリーズ」がホームシアターの音を変えるというトピックです。DSMシリーズは、DSシリーズというネットワークプレーヤーに入力をたくさん付けたもので、ネットワークプレーヤーに加えてプリアンプとしての役割を果たすようになりました。PCに入っている楽曲ファイルも再生できますし、HDMI入力や同軸/光デジタル入力、アナログライン入力を備えています。

 AVアンプと組み合わせた場合、マルチチャンネル信号のうちメインの2chだけをDSM内で処理して、そのほかはスルー出力します。ジッターの多いHDMI入力に対し、すべてのチャンネルに対してクロックを新しく付け直します。、すると、非常にしなやかで品位が高く、濃密な音を聴くことができるのです。販売店のイベントなどで実演すると、皆さんすごく驚きます。

 実は、2011年秋のDMSシリーズが登場した当初は、メインの2chとそのほかのchにディレイ(遅延)が生じて使い物にならなかったのです。しかし、今年の春に新しいファームウェアが出てDSMが処理する信号のディレイタイムを広い範囲で調整できるようになりました。

 課題としては、プレーヤー側でリニアPCM出力に変更しないとDSM側が対応できない点でしょう。ドルビーTrue-HDなどのデコードを外部に依存することになります。また、リモコンが増えて面倒に感じる場面も多いので、マルチチャンネルに対応したビットストリーム型DSMを、ぜひ出してほしいですね。つまり新時代のLINNのAVアンプが欲しいです。

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