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イマドキの見た目に“RD”のエッセンス、東芝「DBR-T360」(後編)(3/3 ページ)

» 2013年02月15日 02時36分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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録画番組をもう一歩踏み込んで楽しみたい人に

 タイムシフトマシンである「レグザサーバー」は別格として、本機とその姉妹モデルが登場するまで、レグザブルーレイには異なる流れで生まれた製品ラインが混在し、競合製品に対しても機能面で見劣りを感じていたのは事実だ。しかし、本機と姉妹モデルでは新プラットホームの導入により、競合製品に機能面で追いついた。スカパー!HDを含めて最大4番組の同時録画可能となり、自動録画機能も強化。高速ダビング中でも3番組の同時録画が可能だ。

 また、RD系列のプラットフォームに残されていた録画中には録画番組を削除できないといった古くさい制限がなくなり、外付けHDDから直接光学メディアへのダビングも行える。もちろん競合製品はさらに一歩先を行っている部分もあるが、本機にはRDシリーズから継承した編集機能や、外付けHDDが複数台同時に接続できるという大きな武器もある。


 一方、今回どうしても気になってしまったのは、全体に感じるUIの緩慢さだ。意図的な調整なのか、処理能力に対してUIが重すぎるのかどうかは分からないが、操作が反映されるのに常に一呼吸か二呼吸は待たされる印象を受ける。もちろんさまざまな層が利用する家電製品である以上、レスポンスが速ければ良いというものではないが、競合製品のみならず、筆者の手元にある「RD-BZ710」と比べても明らかにレスポンスが悪い。新しいプラットホームの導入時にはありがちなことではあるが、使っていて気になったのは事実だ。

 また、スマートフォン/タブレット端末との連携についても、レグザブランド製品の囲い込みが気になる。もちろん販売戦略として否定できない部分ではあるが、番組持ち出しに関しては、パナソニックにしてもソニーにしても、ISDB-Tに準拠する形でのメモリカードへの汎用性のある録画番組の書出し機能を備えた上で、「自社製品なら、より便利に」というスタンス。動作保証の問題などもあるとは思うが、他社製スマートフォン/タブレット端末との連携機能も充実させてほしいところ。そして、その方が本機の売上げにもつながると思う。

 RDユーザーの視点で気になった点も挙げておこう。本機は3番組すべてをMPEG4/AVCによる長時間録画が行えるが、リアルタイムで長時間録画モード録画されるのは最大2番組(場合によっては1番組)、残りは電源オフ時に自動的に画質変換する仕組みだ。これ以外にも持出し用録画も電源オフ時に自動処理されるため、基本的に未使用時には電源オフする必要がある。ハードウェアリソースを有効に活用するという点では賢い仕組みともいえるが、把握しておかないと「あれ?」と思ってしまうこともありそうだ。

 とはいえ機能面で競合に追いつき、RDシリーズの機能が継承された製品が登場したことは、今後への期待も含めてうれしい事実。単純にRDフリークにとって価値があるというだけでなく、充実した編集・ダビング機能に魅力を感じる人は決して少なくないはずだ。単純にテレビ番組を録る/見るだけでなく、もう一歩踏み込んで録画番組を楽しみたい人なら選択肢に挙げたい製品の1つといえる。

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