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ドライバー構成は非公開? 「FitEar Parterre」(パルテール)の音に迫る野村ケンジのぶらんにゅ〜AV Review(1/2 ページ)

» 2013年05月20日 14時25分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]

 先日、東京・外苑前駅近くの「スタジアムプレイス青山」で「春のヘッドフォン祭2013」が開催された。フジヤエービックが主催する「ヘッドフォン祭」といえば、いまやヘッドフォン好き、デジタルオーディオプレーヤー好きにとっては定番といえるイベント。会場には数多のメーカーが出展し、さまざまな新製品、時にはまだ発売前のサンプル製品などを展示され、それらを気軽に試聴できるのが最大の特長となっている。

 さまざまなジャンルの数多あるAV系新製品のなかから注目の新製品をピックアップし、いち早いレビューをお送りしていく「野村ケンジのぶらんにゅ〜AV Review」。今回から数回にわたり、春のヘッドフォン祭で注目を集めた新製品をピックアップしていこう。

 熱気あふれるヘッドフォン祭の会場にあって、試聴の行列が延々と続き、大いに話題を集めていた製品の1つが「FitEar」(フィットイヤー)ブランドの須山歯研が仕掛けたユニバーサルモデル「FitEar Parterre」(パルテール)だ。カスタムイヤーモニターをメインに手がける同ブランドとしては、「TO GO! 334」に続く2製品め、フジヤエービック専売の「F111 by FitEar」も含めると3つめのユニバーサルモデルとなる。

「FitEar Parterre」(パルテール)。フジヤエービックのサイトでは8万4800円で販売されている

 外見を見るかぎり小型シェルのカスタムイヤーモニターにも見える「Parterre」だが、正真正銘“耳型を採る必要のない”ユニバーサルモデルに仕上がっている。ノズルの部分は「TO GO! 334」のような各帯域が出口まで独立したポートを備えているのではなく、「F111 by FitEar」と同じテーパー状の開口部を備える、純チタン削りだしのノズル部が採用されている。ただし、その内部はシングルBAドライバーの「F111 by FitEar」とは異なるシステムとなっているようで、「担当する周波数レンジを完全に独立させるアコースティックフィルター&ネットワーク」が採用されているという。

純チタン削りだしノズルを採用したテーパー状の開口部

 とまあ、先ほどからどことなく歯切れの悪い文章となってしまっているが、言い訳をすると、実はこの製品、ドライバー構成については詳細が発表されていないのだ。そのため、内部構造がどうなっているのか良く分からない。強い光を当てて筐体(きょうたい)を透かしてみると、少なくとも2基のバランスド・アーマチュア(以下、BA)ドライバーが確認できるので、2Way以上の構成であることは確か。あくまでも推測だが、「BAドライバーに2基採用の2Way製品」というのが妥当なところだろう。

 しかしながら、Parterreの重要なポイントはそこではない。BAドライバー搭載イヤフォンは、サイズ的な制限から“ハイパスフィルター”のみで構成されていることが多く、ローパスフィルターが搭載されていないため、マルチウェイドライバー方式の製品は、ある程度から上の帯域、中域以上においては各ユニットの音が重なっている状態なのだ。しかし、Parterreは、うたい文句によ、「担当する周波数レンジを完全に独立」させているという。これは、画期的なことといえるだろう。それが実際のサウンドにどういった影響を与えているのか、気になるところだ。

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