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» 2013年08月26日 14時26分 公開

山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」:音を楽しむための本格派、アクティブスピーカー3機種を聴く (2/3)

[山本浩司,ITmedia]

傑出したコストパフォーマンス、USB-DAC搭載のKEF「X300A」

KEF「X300A」。価格はペアで6万8250円と、今回取り上げる中では最も安い

 KEF「X300A」は、最近聴いた比較的安価なアクティブスピーカーの中で傑出した魅力を持つ製品。13センチマグネシウム/アルミ合金ウーファーの同軸上に25ミリアルミドーム・ツィーターを配置した同社独自のコアキシャル・ユニット「Uni-Q」をビルトインした2Way機で、背面にUSB-B端子を装備し、96kHz/24ビットまでのPCMデータを受けることが可能だ。内蔵パワーアンプはウーファー用が50ワット、ツィーター用が20ワットのアクティブ・クロスオーバーによるバイアンプ駆動である。

 低音がたっぷりとひびく本格的な帯域バランスにまず驚かされる。13センチ口径の本格派ウーファーを積んでいるだけに、キックドラムやベースの音圧感も十分に力強い。それから、ヴォーカルがぐんと張り出してくる中域の押し出しのよさも本機ならではの持味で、どんな音楽を聴いても本格的なスピーカー・リスニングならではの充実感が味わえる。

13センチマグネシウム/アルミ合金ウーファーの同軸上に25ミリアルミドーム・ツィーターを配置した「Uni-Q」を採用

 本機の背面には「STAND」と「DESK」と記されたイコライザー切替スイッチがある。おそらくそれぞれの設置条件に合せて低音のレスポンスを変えているのだろう。筆者は後ろの壁から1メートルほど離して汎用スピーカースタンドに載せて聴いたが、この場合はやはり「STAND」ポジションが好ましかった。アクティブスピーカーにはこんなふうに周波数特性をコントロールできるタイプが多く、これもいい音を聴くための重要なポイントといっていいだろう。とくに部屋のクセ(定在波)によって低音の聴こえ方は激変するので、本機のように設置条件に応じて低音のレベルをコントロールできるメリットはひじょうに大きい。

小さな本格派、USB-DACも搭載のクリプトン「KS-3HQM」

 クリプトンの「KS-3HQM」は、堅牢なアルミ製キャビネットに6.35センチフルレンジ・ユニットを組み込んだDAC内蔵アクティブ・スピーカー。USB-Bタイプ入力のほか、光デジタル、ステレオミニのアナログ入力を装備する。デジタル入力の対応レゾリューションは192kHz/24bitまで。25ワット+25ワットの内蔵アンプはクラスD(デジタル)増幅タイプだ。音質向上を図り、ハイカーボンスチールのインシュレーターと約700グラムの鉄球入りスピーカーベースが付属する。

クリプトンの「KS-3HQM」と付属のスピーカーベース。同社オンラインストアの販売価格は8万9250円(2本)

 先述したKEFのX300Aに比べると、ドライバーユニットがかなり小ぶりなフルレンジ型なので、低音の迫力やスケール感はちょっとかなわない印象だが、机上に置いてスピーカーにうんと近づいて聴くデスクトップPCオーディオ・スタイルならば、それがあまり弱点にならない。

USB端子を備え、PCに直接つないでハイレゾ音源が楽しめる

 一方、バッフル幅がユニットぎりぎりまで絞り込まれているせいか、音の広がりがたいへんすばらしく、冒頭述べたステレオフォニック・エフェクトの妙味が実によく分かるスピーカーだ。ワンポイント・ステレオ録音のようなシンプルなマイキングで録られたハイレゾファイルなどを聴くと、L/Rスピーカーを結んだ線の真ん中、その虚空にヴォーカリストがふっと浮かび上がり、幅と高さと奥行を伴った三次元的な音場が広がっていく面白さが楽しめるのである。その生々しい音場表現力に気づくと、スピーカーで音楽を聴く楽しさから離れられなくなるはずだ。またこのスピーカーは、音の消え際、かそけき気配の再現に突出した魅力を持っていることも付記しておきたい。

 ちなみに本機には専用リモコンが付属していて、手もとできめ細かく音量調整ができるのもいい。ただし、今どれだけ音量が上がっているかが視認できないのが残念だけれど。いずれにしても、本機は狭小空間のデスクトップで楽しむPCオーディオ用スピーカーとして、たぐいまれな使い勝手のよさを持った製品だと太鼓判を押しておこう。

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