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HTML 5ベースの電子番組表「GガイドHTML」が登場、クラウド連携でもっと便利にCEATEC JAPAN 2013

» 2013年10月02日 22時42分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 Rovi(ロヴィ)は10月2日、日本市場向けの次世代電子番組表「GガイドHTML」を発表した。業界初のHTML 5ベースのEPGで、同社のクラウドサービス「RoviCloud」とともに動作するという。「CEATEC JAPAN 2013」の会場近くに設けられた同社のプライベートブースを訪ね、新しいGガイドについて聞いた。

「GガイドHTML」

 Gガイドは、パナソニックやシャープなど、国内メーカーのテレビやBDレコーダーにも幅広く採用されている電子番組表だ。一方のHTML 5は動画表示を含む豊かなグラフィック表現が特長で、放送通信連携サービス「Hybridcast」など、幅広い機器やサービスへの展開が期待されている新しいプラットフォーム。もっともRoviの場合、欧州や北米で展開している「TotalGuide」(トータルガイド)は以前からブラウザベースで、クラウド連携により多彩な付加価値サービスを提供している。日本向けのGガイドがHTML 5ベースに切り替わったのも目的は同じだ。

 ロヴィのプロダクトマネージメントシニアマネージャー、岩永朝陽氏によると、「テレビやレコーダーの場合、もちろんインターネットに接続していなくても使えるが、ネット環境があるとリッチデータを活用できる」という。例えばある番組の紹介ページを開くと、番組のロゴマークや写真などグラフィカルな構成で、放送中の番組であればプログレスバーによって残り放送時間なども一目で分かる。ネット環境がないと、写真やプログレスバーは表示されない。

 番組の出演者リストは、日本タレント名鑑から提供された顔写真付きだ。さらに今後一週間(地上波の場合)に出演する予定の番組があれば、カッコ内に番組数が表示される。レコーダー機能のある機器なら、主演番組の一覧画面から録画予約を行うことも可能だ。

出演者リスト(左)とタレントの出演予定番組一覧(右)

 またHTML 5ベースになったことで、番組表自体のレスポンスが向上したという。カーソルキーでスムーズに移動できることに加え、ちょっとしたコツを覚えるとより便利に使える。例えば、番組表画面で横方向(=チャンネルが並ぶ方向)のボタンを長押しすると、放送局一覧に切り替わる。また特定のチャンネルで縦方向を押していると、今度はそのチャンネルの一週間分の番組表が表示されるといった具合だ。同社ではこれを「ターボスクロール」と名付けている。

横方向のボタンを長押しで放送局一覧(左)、縦方向のボタン長押しで当該チャンネルの1週間番組表に切り替わる(右)

 ほかにも組表画面で特定の放送局アイコンを選択すると拡大画面が表示され、通常は省略されている放送時間の短い番組を一覧できたり、頻繁に視聴するチャンネルを「マイ番組表」に登録して放送波(地上/BS/CS110度)をまたぐカスタム番組表を作成できるなど、ユーザーの利便性に繫がる機能を多く備えている。

拡大表示で放送時間の短い番組も確認できる。ここから「マイ番組表」登録も可能だ(左)。カレンダー表示で目的の日に移動(右)

 ただし岩永氏によると、今回のデモで見せた番組表は、いわば「フェーズ1」。年内にもブラッシュアップを行い、レコメンド機能やサーバサイドで処理できる(=機器側の負荷が少ない)検索機能などを追加する計画だという。また、GガイドHTMLの採用を表明したメーカーはまだないが、「2014年に発売される機器への採用を目指して訴求する」と話していた。

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