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“4K相当”をうたう「AQUOSクアトロン プロ」、5つの画面サイズで登場(1/2 ページ)

» 2013年10月22日 18時48分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 シャープは10月22日、液晶テレビの新製品“AQUOSクアトロン プロ”XLシリーズを発表した。「CEATEC JAPAN 2013」の同社ブースで大々的に展示したもので、フルHDパネルでありながら“4K相当”の解像感を実現したという(→関連記事)。46V型から80V型までの5サイズを11月30日から順次発売する。

「クアトロン プロ XLシリーズ」。46V型から80V型まで5サイズをそろえた

型番 LC-80XL10 LC-70XL10 LC-60XL10 LC-52XL10 LC-46XL10
画面サイズ 80V型 70V型 60V型 52V型 46V型
解像度 フルHD(1920×1080ピクセル)
バックライト エッジ型LEDバックライト
チューナー 3(USB外付けHDDへの録画対応)
HDMI入力 4(4K/30p入力対応)
発売日 12月10日 11月30日
実売想定価格 88万円前後 68万円前後 35万円前後 30万円前後 26万円前後

 「クアトロン プロ」は、独自の4原色構造を持つクアトロンパネルのサブピクセルを活用し、解像感を向上させるというもの。通常の液晶パネルでは、RGB(赤、緑、青)のサブピクセルを使って色を表現するが、クアトロンパネルにはRGB(赤、緑、青)に加えてY(黄)のサブピクセルがある。しかも緑と黄が離れて並んでいる点もポイントだという。

 「解像感は、画素の数ではなく、輝度ピークの数で決まる。従来のRGBパネルでは、比視感度(ひしかんど)の高い“緑”のみが輝度ピークとなるが、クアトロンの場合は“緑”と“黄”の2つで輝度ピークを作ることができる」(同社)。人が明るいと感じやすい光の波長は550ナノメートル付近で、490〜590ナノメートルの波長にある黄と緑に対しては感度が高いという。

 クアトロンプロに搭載された「超解像 分割駆動エンジン」は、その名称の通り、フルHDの入力映像を4Kにアップコンバートした後、輝度と色情報を高めて各画素のうち「赤・緑・青」「青・黄・赤」のグループに分けてサブピクセルを分割駆動する。水平方向に並んだ2つのグループは、それぞれ輝度ピークを持ち、映像によって輝度レベルを変化させることで、水平方向の解像感がアップする仕組みだ。

 

水平方向に並んだ2つのグループがそれぞれ輝度ピークを持つ(左)。垂直方向にも2分割(右)

 一方、垂直方向にも解像感を上げる仕組みがある。クアトロンシリーズでは、以前から1つの画素を上下に分割し、輝度レベルを個別に調整するサブピクセル制御技術により、斜め線のジャギーなどを抑えていた。今回はそれも合わせて、1つの画素を水平方向と垂直方向にそれぞれ2分割。1つの画素内に4つの輝度ピークがあることになり、「“4K相当”の輝度解像度を表現することができる」(同社)。

1画素内に4つの輝度ピークができる(左)。4つの輝度ピークを生かす超解像・分割駆動エンジン(右)

 なお、4K入力時(30pまで)には、フルHDにダウンコンバートするのではなく、4K信号の輝度と色情報を使ってパネル駆動を調整することで、4Kテレビに近い映像を映し出せるという。

4Kテレビ、クアトロンプロ、フルHDの比較デモ。クアトロンプロは、個々のサブピクセルグループにRGBがそろっているわけではないが、見た目の解像度は明らかに向上する。ちょうどフルHDと4Kの中間くらいという印象だ

 ちなみにクアトロンパネルのサブピクセル配置は、2010年に発売された初代機から変わっていない。シャープでは、「クアトロンからクアトロン プロへの進化は、2010年の時点で既に描いていたもの」と話していた。

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