シャープは10月22日、液晶テレビの新製品“AQUOSクアトロン プロ”XLシリーズを発表した。「CEATEC JAPAN 2013」の同社ブースで大々的に展示したもので、フルHDパネルでありながら“4K相当”の解像感を実現したという(→関連記事)。46V型から80V型までの5サイズを11月30日から順次発売する。
型番 | LC-80XL10 | LC-70XL10 | LC-60XL10 | LC-52XL10 | LC-46XL10 |
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画面サイズ | 80V型 | 70V型 | 60V型 | 52V型 | 46V型 |
解像度 | フルHD(1920×1080ピクセル) | ||||
バックライト | エッジ型LEDバックライト | ||||
チューナー | 3(USB外付けHDDへの録画対応) | ||||
HDMI入力 | 4(4K/30p入力対応) | ||||
発売日 | 12月10日 | 11月30日 | |||
実売想定価格 | 88万円前後 | 68万円前後 | 35万円前後 | 30万円前後 | 26万円前後 |
「クアトロン プロ」は、独自の4原色構造を持つクアトロンパネルのサブピクセルを活用し、解像感を向上させるというもの。通常の液晶パネルでは、RGB(赤、緑、青)のサブピクセルを使って色を表現するが、クアトロンパネルにはRGB(赤、緑、青)に加えてY(黄)のサブピクセルがある。しかも緑と黄が離れて並んでいる点もポイントだという。
「解像感は、画素の数ではなく、輝度ピークの数で決まる。従来のRGBパネルでは、比視感度(ひしかんど)の高い“緑”のみが輝度ピークとなるが、クアトロンの場合は“緑”と“黄”の2つで輝度ピークを作ることができる」(同社)。人が明るいと感じやすい光の波長は550ナノメートル付近で、490〜590ナノメートルの波長にある黄と緑に対しては感度が高いという。
クアトロンプロに搭載された「超解像 分割駆動エンジン」は、その名称の通り、フルHDの入力映像を4Kにアップコンバートした後、輝度と色情報を高めて各画素のうち「赤・緑・青」「青・黄・赤」のグループに分けてサブピクセルを分割駆動する。水平方向に並んだ2つのグループは、それぞれ輝度ピークを持ち、映像によって輝度レベルを変化させることで、水平方向の解像感がアップする仕組みだ。
一方、垂直方向にも解像感を上げる仕組みがある。クアトロンシリーズでは、以前から1つの画素を上下に分割し、輝度レベルを個別に調整するサブピクセル制御技術により、斜め線のジャギーなどを抑えていた。今回はそれも合わせて、1つの画素を水平方向と垂直方向にそれぞれ2分割。1つの画素内に4つの輝度ピークがあることになり、「“4K相当”の輝度解像度を表現することができる」(同社)。
なお、4K入力時(30pまで)には、フルHDにダウンコンバートするのではなく、4K信号の輝度と色情報を使ってパネル駆動を調整することで、4Kテレビに近い映像を映し出せるという。
ちなみにクアトロンパネルのサブピクセル配置は、2010年に発売された初代機から変わっていない。シャープでは、「クアトロンからクアトロン プロへの進化は、2010年の時点で既に描いていたもの」と話していた。
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