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オーディオテクニカの注目株、BA型ドライバー搭載の「IMシリーズ」をイッキ試聴!野村ケンジのぶらんにゅ〜AV review(2/2 ページ)

» 2013年10月25日 16時59分 公開
[ 野村ケンジ,ITmedia]
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エネルギッシュなサウンド、「ATH-IM02」

「ATH-IM02」

 続いてBAドライバー2基搭載の「ATH-IM02」を試聴。こちらは雰囲気がガラッと変わって、芯のある力強い中低域によって、臨場感のあるエネルギッシュなサウンドを楽しませてくれる。とくにロックやポップス系との相性が良く、ベースラインがタイトでキレの良い、グルーブ感の高い演奏を堪能させてくれる。グイグイと演奏にのめり込んでいけるため、ライブ音源などにもピッタリ。なかなかに音楽性の高いサウンドだ。

 「どこかで聴いたことあるなぁ」と思ったら、「ATH-CK90PROMK2」のサウンドにそっくり。これを正常進化させ、解像度感やSNなどの基本スペックをベースアップさせたイメージだ。音色傾向としてもストレートでリアルな表現はそのまま受け継いでいるため、「ATH-CK90PROMK2」オーナーも大いに気に入ることだろう。

解像度感も十分、リスニング用でも楽しめる「ATH-IM03」

「ATH-IM03」

 3基のBAドライバーを搭載する「ATH-IM03」は、一言で言うと深みのあるダイナミックな表現が特長。高域はBAドライバーらしく鋭く立ち上がり、低域も十分な解像度感が確保された上に、充実した量感を持つ。おかげで、音楽が雄大に、抑揚豊かに聴こえる。フルオーケストラなどを聴いても、すべての楽器が詳細なニュアンスまで捉えられ、絶妙なアンサンブルが感じられる。音数の多い演奏も苦手としない、素晴らしい解像度感だ。

 事実上の先代となる「ATH-CK100PRO」とは、キャラクター的には近いものがあるが、さらに一段クオリティーアップしたイメージ。また、ボディーの素材の違いだろう、高域がよりナチュラルになった。モニター用としてだけでなく、リスニング用としても楽しめる懐の深さを持つようになった、といえる。

カスタムIEMに近い? 上質なサウンド「ATH-IM04」

「ATH-IM04」

 最後の「ATH-IM04」は、オーディオテクニカとしては初となる、BAドライバーを4基搭載した3Wayモデル。全くのブランニューモデルだ。はたしてそのサウンドはというと、整然として淡々としていて、フラットできめ細やかなイメージ。抑揚表現はとてもきめ細かく、解像度感も超をつけたくなるほど高い。演奏のすべての要素が、漏らさず伝わってきてくれる。何とも上質なサウンドだ。

 一聴するとおとなしく聞こえてしまうかもしれないが、音楽をありのまま、ストレートに伝えてくれるという点ではかなりのもの。そういったキャラクターは、カナル型イヤフォンというよりもカスタムIEMに近い。モニターイヤフォンとしては、かなりの優秀さだ。

 とはいえ、音楽性に乏しいというわけではない。ひずみ感やオーバーな表現、低域の“盛り”がいっさいないため、音楽作品本来の素晴らしさを存分に楽しむことができる。音質の悪い録音は、それが如実にばれてしまうが、それはそれで望むところ。下手なカスタムIEMは不要と思えるくらい、なかなかの秀作だ。

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