比較的各社目玉となる製品展示の少ない印象を受ける今年のCES 2014だが、テレビ製品を扱う家電メーカー各社はどこも4Kをテーマとした展示が目立った。パナソニックもその例外ではないが、プラズマパネル生産からの撤退などコンシューマー製品での戦略が大きく変化した事情もあってか、企業向け(B to B)に関する展示が中心となっていた。4KとB to Bへの注力というメッセージは、CES開催前日に行われたプレスカンファレンスでも顕著で、大きな転換点に入ったという印象を受けた。
パナソニックブース正面に入って最初に目につくのは、4K関連製品をすべて陳列展示した入り口のオブジェクトだ。興味深いのは、昨年のCESやIFAでは「4K」ではなく、メーカー各社ともに欧米での表記である「UHD」(Ultra High Definition)というキーワードが多かったと記憶しているのだが、今年はUHDという表記は比較的目立たなくなり、このパナソニックブースのように「4K」表記でほぼ統一されているような状態だ。
この傾向は他社のブースにもみられ、UHDではなく4Kがメジャーなキーワードとして一般化されたという感じだ。ただし展示内容についてはあまり目新しいものはなく、秒間60フレーム描画でのゲームプレイや改良された「Life+ Screen」というスマートテレビ機能の展示、カメラ製品など、過去1年間に発表された技術の延長といえるものだ。
Mozillaとの提携によるスマートテレビ製品へのFirefox OS採用だが、今回の展示ではいっさい使用されておらず、従来のプラットフォームをそのままだ。説明によれば、現段階ではMozillaとの提携を発表したのみの状態で、Firefox OSの実装については今後協議を進めていくという。
提携の背景としては、パナソニックとして新しい方向性を模索する必要があったこと、スマートフォーンでの実装実績はあるものの(ZTEの製品が欧州で発売済み)、Mozillaはテレビ関連のノウハウは持っておらず、パナソニックとの相互補完が期待できるという両社の思惑があるようだ。また今後はユーザーインタフェースやアプリケーションの実装においてHTML5が主要な位置を占めると予想されており、そのあたりもFirefox OSの選択の理由になったようだ。
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