セールス・オンデマンドは2月18日、米iRobotのロボット掃除機「ルンバ800シリーズ」を発表した。2011年の「ルンバ700シリーズ」以来、およそ3年ぶりとなるフラグシップモデル。3月1日から全国の家電量販店や百貨店で販売を開始する。価格は税抜き6万6477円から。
独自の高速応答プロセス「iAdapt」などは従来機から継承しつつ、本質的な“掃除力”と“メンテナンス性”を向上させた新モデル。発表のために来日した米iRobotのコリン・アングルCEOは、「より効率的な掃除、バッテリー寿命、メンテナンスの3点が大きく変わった。誇りを持って紹介したい」として、ルンバ800シリーズを披露した。
新しい吸引機構「AeroForceクリーニングシステム」は、底面の吸い込み部分が大きく変わった。従来は2本のブラシを使い、“かき込む”動作と“吸い取る”動作の両方でゴミを取り込んでいたが、一方でブラシに長い髪の毛などが絡まり、メンテナンスが面倒という面もあったという。「メンテナンスに時間をとられては、普通の掃除機と同じだ」(アングル氏)。
そこでルンバ800シリーズでは、ブラシの代わりにシリコンゴムのような柔軟な素材を使った「AeroForceエクストラクター」を開発。髪の毛が絡まりにくくした。さらに、2本のエクストラクターを狭い間隔で配置することで、吸い込み部分の気密性をアップ。同じく密閉された空気の流路やハイパワーモーターにより、強力な空気の流れを作り出すことで吸引力を5倍に引き上げたという。同社はこれを“真空エアフロー構造”と呼ぶ。
同じく髪の毛などが絡まりやすい「エッジクリーニングブラシ」は、取り付け部のネジを変更。従来はプラスドライバーで取り外す必要があったが、今回から10円玉などでも作業が行えるようになった。
バッテリーは、「ルンバ700シリーズ」と同じニッケル水素電池で、容量やサイズも変わらない。しかし、材料などの改良により、充放電の回数を大幅に増やすことに成功した。「週に4回、1回あたり1時間の使用という条件では、バッテリー交換時期は約3年後。従来の倍にあたる」(同社)。
集めたゴミをためるダストボックスは、ルンバ700に比べて1.6倍に大きくなった。「内部のスペースに余裕ができたとき、他社ならロボット掃除機そのものを小さくするかもしれない。しかし、われわれはダストボックスを大きくした。新しいルンバが、“掃除”にコミットしているからだ」(アングル氏)。
ルンバ800シリーズは、本体色がピューターグレーの「ルンバ870」、およびブラックの「ルンバ880」の2モデルをラインアップ。ハードウェアは共通で、本体カラーと付属品が異なる。
ルンバ870には、赤外線でルンバの移動を制限する「バーチャルウォール」2個を同梱(どうこん)。上位モデルのルンバ880には、バーチャルウォール機能も持つ「お部屋ナビ」(複数の部屋を順番に効率良く掃除させるライトハウスモード対応)2個が付いてくるほか、交換用エッジクリーニングブラシ2個も付属する。価格は「ルンバ880」が7万6000円、「ルンバ870」は6万6477円(いずれも税抜き)。
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