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「ロケフリが入ったようなもの」――ソニーのBDレコーダーが「リモート視聴」に対応(1/2 ページ)

» 2014年03月25日 10時48分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 ソニーは3月25日、同社製Blu-ray Discレコーダーのアップデートを行い、NexTV-Fが2月に公表した「デジタル放送受信機におけるリモート視聴要件 Ver.1.0」を満たしたリモート視聴機能を追加すると発表した。これにより、BDレコーダーとスマートフォンあるいはタブレット機器があれば、録画した番組や放送中の番組を外出先からでもインターネット経由で視聴できるようになる。

ソニーはBDレコーダーの2013年秋モデルでリモート視聴に対応する。写真は「BDZ-ET2100」(左)。レコーダー側の設定画面(右)

 宅外からのリモート視聴は、米SlingMediaの「SLINGBOX」やDTCP+対応のNASなどがすでに実現している。しかしアナログ入力が前提となっていたり、デジタルチューナー(BDレコーダーやテレビ)と別体のハードウェアが必要になるなど、デジタル放送の運用規定などによって何らかの制約を受けていた。しかし、在京キー局やNHKといった放送局を交えて議論を行い、まとめられた「TR-0001」こと「デジタル放送受信器におけるリモート視聴要件 Ver.1.0」の登場により、対応するBDレコーダー1台でまかなえるようになる。「レコーダーに“ロケーションフリー”機器が入ったようなものだ」(ソニー)。

 対応レコーダーは2013年秋モデルで、「BDZ-ET2100」「BDZ-ET1100」「BDZ-EW1100」「BDZ-EW510」「BDZ-E510」の5機種となる。このうちシングルチューナーの「BDZ-E510」は録画済み番組のリモート視聴のみで放送中番組には対応しない。またリモート視聴のストリーム送出時にはリアルタイムのトランスコードが発生するため、複数のチューナーを搭載しているモデルでも「特定のチューナーが録画している場合」にはリモート視聴できないケースがあるという。

アプリは「TV SideView」に一本化

 リモート視聴には、現在ブラビアのセカンドスクリーンアプリとして提供されている「TV SideView」を使用する。ソニーでは、これまで「RECOPLA」や「CHAN-TORU」など製品や機能ごとに提供していた各種アプリを、今後は「TV SideView」に一本化することでユーザーの利便性向上を図る考えだ。従来のアプリも継続して利用できるが、リモート視聴は『TV SideView』のみが対応するという。

 ただし、TV SideViewでリモート視聴する場合、500円(5%税込み)の「プレイヤープラグイン」を購入する必要がある。「Twonky Beamでは端末ごとにライセンスを購入する必要があったが、TV SideViewはアカウントにひも付けられ、1つ購入すればスマートフォンとタブレットなど複数の端末で利用できる」(同社)。ただし、AndroidとiOSを併用する場合には個別に課金が発生する。

実際の設定作業。ネットワーク内にあるレコーダーがリストアップされるため、ペアリングするレコーダーを選ぶ

プラグインの購入

録画済み番組のリモート視聴

 「TV SideView」のアップデートはAndroid版から行われる。Android版は、3月25日からリモート視聴(外からどこでも視聴)機能を搭載した「ver.2.3.2」をまず公開。4月下旬に再度アップデートを行い、「ワイヤレスお出かけ転送」や「外から録画予約」、TV SideView画面での録画タイトルのソート(ジャンル別などに整理)も行えるようになる。対応OSは、Android 4.0.3以降。一方のiOS版は、3月のアップデートを行わず、4月下旬をメドにすべての機能を搭載したバージョンを提供する予定だ。対応OSは、iOS 6.0以降。

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