空気が乾燥してくるこの時期に悩まされるのが、空気中を漂うハウスダストだ。家中を飛びかうハウスダストをすばやくきれいにするため、空気清浄機を導入しようと思い立ったのだが、せっかく買うのなら、清浄力の高さにとことんこだわった良い物が欲しい。
そう思って色々調べたところ、ITmediaに載っていたインタビュー記事に目が止まった。「PM2.5に打ち勝つ! ブルーエアの空気清浄技術で知るその方法」と題したこのインタビューでは、PM2.5の除去が可能であることをいち早く表明したというブルーエアの空気清浄機を取り上げていた。
記事はPM2.5の除去が中心の話だったが、自分としては、どちらかといえば後半部分で言及していた“清浄スピードの速さ”に興味が湧いた。いくらフィルターの性能が良くても、空気を清浄するスピードが遅ければ、人が部屋を出入りしたり、歩いてホコリを舞い上げてしまったりして、どんどん空気が汚れてしまうので意味がない。ブルーエアの最上位モデルである「650E」の場合、一般的な空気清浄機とくらべて2.5倍速、毎分1万3800リットルものクリーンエアを供給できるというからすごい。“清浄スピードの速さ”という要素に着目するメーカーは国内ではあまり見かけないが、ブルーエアの公式サイトを見ると、この会社が清浄スピードにかなりこだわっていることが分かった。
清浄スピードを示す指標として参考になるのが、「CADR(Clean Air Delivery Rate:クリーンエア供給率)」と呼ばれる指標だ。CADRはAHAM(米国家電製品協会)が定める基準で、空気清浄機が1分間あたりに供給する清浄な空気の量を表したもの。粒子径サイズの異なる花粉・ホコリ・タバコ煙の3種類の汚染物質に関する浄化スピードを数値化しており、CADR値が多ければ多いほど、空気清浄機が部屋の空気を浄化するスピードが速いことを表している。「清浄スピード」よりも汚染物質の「除去率」をアピールするメーカーの多い日本では、あまり聞き慣れない指標だが、海外では空気清浄機を選択する際のスタンダードな基準として知られており、ブルーエアの「650E」は、花粉・ホコリ・タバコ煙の全項目で最高値を取得している。
このCADR値の高さは、「HEPASilent(ヘパサイレント)」と呼ばれるブルーエア独自のフィルターを使うことで実現している。通常、除去率を重視してフィルターの目を細かくすると、空気が通る量が減ってスピードが低下する。反対にスピードを重視してフィルターの目を粗くしてしまうと、除去すべき微粒子が通り抜けてしまうため、今度は除去力が低下してしまう。
ブルーエアは、空気中に漂う花粉やウイルス、ダニ、細菌、カビ、ハウスダスト、タバコ煙、ペットの毛をファンが吸引すると、まずそれらの汚染物質に向けて「イオナイザー」と呼ばれる電極が電子を放出して、マイナス帯電させる。その状態で、プラスに帯電させた3層のフィルターによって汚染物質を静電気のちからで吸着して除去する。これによって、普通ならフィルターの目を通り抜けてしまうような微細な粒子も、フィルターに吸着させることが可能となる。いわゆる「電気集塵式」と呼ばれる集塵方式だが、実際にブルーエアの内部を見てみると、とにかくイオナイザーのサイズが大きい。大量の空気をすばやく処理するために、これだけのサイズが必要だったということだろう。
このように、吸い込んだ空気をフィルターで清浄する前にイオナイザーを使って帯電させる技術を、ブルーエアはHEPASilentと呼んでいるわけだが、これは“HEPA”という名が付いてはいるものの、多くの日本メーカー製空気清浄機が採用しているHEPAフィルターとは異なる独自のフィルター技術だ。
「HEPASilent」で使用するフィルターは、目の大きさが異なる3枚のフィルターを重ねたもので、小さな粒子に合わせて作られた1枚もののフィルターに比べて、格段に目詰りを起こしにくい作りになっているという。
今回、わが家に導入した製品は、CADR値で最高値を取得した「650E」ではなく、ミドルモデルの「450E」だが、フィルターの技術は上位モデルの「650E」とまったく同じものを使っている。本体横の扉を開けて中にセットされたフィルターを取り出して実物を見てみると、3層構造ということもあって、かなり分厚い。フィルターを取り出すと、吸気口近くにある巨大なイオナイザーが見える。この大きな電極を空気が通り抜ける際に、空気中の汚染物質がマイナス帯電させられる仕組みとなっている。
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