ハイアールアジアは1月14日、「Haier Asia Innovation Trip! 2015」を開催し、2015年以降に発売する予定の製品、家電製品を利用した新しいビジネスモデルなどについて発表した。
ハイアールは中国資本の大手家電メーカーで、6年連続で白物家電において世界シェアトップの座を占めている。その中で、ハイアールアジアは、日本を含むASEAN諸国を管轄しており、旧三洋電機の事業体をハイアールが引き継ぐ形で2012年1月に設立された。
登壇した代表取締役社長兼CEOの伊藤嘉明氏は「自分は新参者。なので、“よそ者、若者、ばか者”にしかできない、まるっきり新しいことをしたいと考えた」と述べ、これまでの白物家電の常識を覆す製品やサービスの展開を次の3つの分野に分けて紹介した。
白物家電の消費サイクルは長い。購入から買い替えまで5年から10年はかかる。「売りっぱなしではなく、その間に何かできないだろうか」(伊藤氏)との思いで考えたのが「家電を利用したビジネスモデル」だった。
そして、そのために開発中なのが液晶ディスプレイを搭載した冷蔵庫「DIGI」(仮称)だ。
同製品では、液晶ディスプレイが扉の全面を覆っており、ネットから好みの画像や動画などのコンテンツを購入して表示可能。デモンストレーションでは、宇宙から見た日の出の様子や愛らしい動物を表示したり、アクアリウム的な使い方も紹介。魚を購入してきて水槽に入れるように、「魚のコンテンツ」を購入し、冷蔵庫の「水槽」に追加していた。
また、遠く離れた親族の安否を確認するという使い方も紹介された。扉の開閉をセンサーで感知し、その情報をインターネットを介して登録した端末に通知する、というものだ。高齢になった両親のいる人だけでなく、介護施設での需要も見込む。
続いて紹介されたのはデジタル額縁の「INTERGALLERY」。個人だけでなく、公共の施設やホテル、カフェ、ショップなどで定期的に変更して掲示する絵画やポスターなどに替えて利用してほしい、と伊藤氏。
配信コンテンツは、アート性、エンターテイメント性のあるものだけでなく、企業が自社ブランドを宣伝するのにも使えるという。例えば、以前発表したデザイン性の高いポスターなどをコンテンツとして提供するといった具合だ。
課金システムは、コンテンツごとに購入する「都度課金」か「月額課金」。ハード自体の価格はできるだけ抑えて、多くの人に利用してもらい、コンテンツによる収益を目指す。
最後に紹介されたのは、「off ice(オフアイス)」。「作っている冷蔵庫を売るんじゃなくて、冷蔵庫は無料配布。その中身を継続的に購入してもらおう」というコンセプトのサービスだ。
これは、同社が販売している冷凍庫をオフィスに無償提供し、ブランドもののアイス、コールドプレスジュース、スムージー、スープなど付加価値の高い食品を庫内に置き、販売することで収益を上げるというもの。それ以外にも、食品メーカーによる新製品プロモーションでの利用も想定。柔軟なビジネスモデルを展開できると説明していた。
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