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「夢のテレビ」が日本上陸――LGエレが有機ELテレビを展開(1/2 ページ)

» 2015年03月26日 15時28分 公開
[天野透ITmedia]

 既報の通り、LGエレクトロニクス・ジャパンは3月25日、2015年のテレビ新製品8シリーズ13モデルを発表した。今回の主役は、日本市場に初めて導入する曲面タイプの有機ELテレビ3機種だ。同社の慶甲秀(キョン・ガプス)社長は、「日本のユーザーは技術や製品に関心が高く、厳しいマーケットだと実感している」とした上で、「有機ELテレビは夢のテレビ。自信を持って紹介する」と胸を張った。

新製品の有機ELテレビ3機種。上位モデルにあたるEG9600シリーズは4Kパネルを使用している

 同社は、5月に発売する55V型4K対応モデル「55EG9600」を皮切りに、フルHDの「EC9310」を6月に追加。さらに秋をメドに4K対応65V型「65EG9600」を投入する計画。価格はすべてオープンプライスで、店頭ではEG9600シリーズの65V型が99万8800円前後、55V型は62万8800円前後、EC9310シリーズの55V型は39万8800円前後になる見通し。

無色無発光の“完全な黒”

  LGエレの有機ELは、白色OLEDパネルにカラーフィルターを組み合わせるタイプ。その画質について、有機ELならではの「無色無発光の“完全な黒”」、「白色サブピクセルを追加したWRGB方式」「応答速度の大幅な向上」という3つのポイントを挙げた。

無色無発光の“完全な黒”を実現

 液晶テレビではバックライトの光が漏れ、黒がグレーがかってしまう“黒浮き”の問題が指摘されているが、有機ELはピクセル単位で消灯させることができるため、無色無光の“完全な黒”が再現できる。コントラスト比は、100万:1の測定限界を超える「無限大」(同社)という。

白色サブピクセルを追加したWRGB方式

 WRGBはLG独自の方式。光の3原色であるRGB(レッド、グリーン、ブルー)にW(ホワイト)のサブピクセルを加えることで、輝度を高め、低消費電力化にも一役買う。さらに「従来よりも広い色域を確保し、より鮮やかな色彩表現を実現した。有機パネルの大型化にも寄与した」(同社)としている。

有機EL(手前)と液晶の画質比較デモ

 応答速度も画質の重要な要素だ。OLEDは各ピクセルのスイッチをON、OFFするという、よりダイレクトな駆動が可能なデバイスで、従来の液晶テレビと比較すると、約1000倍の0.001ミリ秒という応答速度を達成した。液晶テレビのような倍速駆動やフレーム補完技術は必要ない。

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