Bluetoothヘッドフォンは音質だけでなく、さまざまな技術革新に支えられながら多機能化が進んでいるデバイスだ。最近ではアクティブノイズキャンセリング機能を内蔵する、いわゆる“全部入り”のモデルが増えつつある。
代表的な製品にはパロットの「Zik2.0」があるが、他にも今回の特集で取り上げたデノンの「AH-GC20」もあり、ソニーからは新製品の「MDR-ZX770BN」も発売を控えている。これらの新製品に共通するのは、アンプやBluetoothのレシーバーチップ、ノイズキャンセリング回路、バッテリーなどを本体に搭載しながら、装着性やポータビリティがとても良いものが増えているという点だ。またペアリングするプレーヤーのリモコン操作についても、タッチセンサーを搭載する製品も表れ、ますます洗練されてきた。
“全部入り”のトレンドはイヤフォンにも波及しつつある。オーディオテクニカが発表した「ATH-BT08NC」は、アクティブノイズキャンセリング機能を搭載するBluetoothイヤフォンだ。高品位コーデックのaptX対応や、ウェアラブルスタイルを意識した快適な装着性も実現している点など、オーディオ性能と機能性のバランスが高いレベルで釣り合っている。
こうしたノイズキャンセリング機能まで搭載する全部入りの製品は、通常のBluetoothヘッドフォンやイヤフォンよりも少し価格が高めではあるものの、音質のレベルが高く、機能も充実した製品が出そろいつつある。特にノイズキャンセリング機能は音楽リスニング以外にも用途は広いので、色々な場面で活用できることを考えればこの機会に投資するのもありじゃないだろうか。
特集の最初に紹介したボーズの「Bose Sound Link on-ear Bluetooth headphones」のほかにも、ヘッドフォンファンに人気の海外ブランドにもユニークなBluetoothヘッドフォン・イヤフォンのラインアップがある。
オーストリアのAKGは昨年、新しい「Yシリーズ」をラインナップに投入した。若い音楽ファンでホンモノ志向のユーザーをターゲットにしたシリーズは、その音質もさることながらパッケージや付属アクセサリーを含めたデザイン性の高さで注目を集めている。Bluetooth対応の「Y45BT」は、軽量設計で本体をコンパクトに折り畳める3D-Axis機構を採用した軽快なポータブルヘッドフォンだ。付属のポーチに収納してコンパクトに持ち運べる。
JBLのBluetoothヘッドフォン「SYNCROS S400BT」は、ハウジングにタッチセンサーコントローラーを内蔵。NFC対応やワイヤードリスニングへの対応など先端機能を一通り網羅している。ハウジングにJBLロゴを大きくあしらったデザインも特徴だ。
日本ではまだ発売されていないが、海外のイベントなどで発表され、年内の日本上陸が期待されているモデルもある。ギブソンは今年の秋を目処にオリジナルブランドのヘッドフォンを投入。CESで発表された「Les Paul」と「SG」は、それぞれのギブソンの銘機として崇められているエレキギターの名前をそのまま冠しているだけでなく、ウッドとメタルをコンビネーションにしたゴージャスな意匠もそれぞれの銘機を彷彿とさせる。スペックの詳細はまだ明らかにされていないが、オンイヤースタイルの「SG」にはBluetooth対応のワイヤレスモデルが加わるとされている。SGにはLightning端子搭載のデジタル接続モデルも加わるようだ。
ゼンハイザーの主力シリーズである「MOMENTUM」には、アラウンドイヤー、オンイヤーの両方にBluetoothワイヤレスヘッドフォンが加わる。CESで発表された新製品は本体を折り畳める構造としてハンドリング性が向上したほか、同社独自のアクティブノイズキャンセリング機能である「NoiseGard」も加わる。ワイヤレス化とノイキャン対応により、アコースティック部分のチューニングも一新されるそうなので、サウンドの面でもどんな進化を遂げるのか注目だ。
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