東芝は7月30日、液晶テレビ“REGZA”(レグザ)の新しいクラウドサービス「みるコレ」の説明会を催し、開発者の同社ビジュアルソリューション事業本部VSクラウド&サービス推進室長の片岡秀夫氏が開発の背景や今後の展開を語った。
片岡氏はまず、9月末に予定している「TimeOn」のリニューアルに言及。「みるコレ」対応機種を大幅に拡大することを明らかにした。対象は「2012年以降に発売されたTimeOn対応機種すべて」(同氏)で、「Z10X」「J10X」「J10」「Z9X」「J9X」「G9」「Z8X」「Z8」「J8」「Z7」「J7」の各シリーズが含まれる。
「みるコレ」は、先日リリースされたレグザの「G20X/J20X」に採用された「TimeOn」の新しいサービス。好きな人物名やジャンルなどをテーマにした“パック”と呼ぶ概念を導入し、それに合った録画番組や今後放送される番組、YouTube動画などの関連情報を集積してユーザーの利便性を高める「一種の自動検索システム」(片岡氏)だ。また従来からTimeOnで提供されている機能も統合しており、例えばパックの画面で「おまかせ録画」をオンにすると、リストアップした未来番組(今後、放送される番組)を片っ端から自動録画する。
現在は5万6000を超えるパックが提供されているが、そのテーマは大きく4つに分類できる。まず「人物パック」は、俳優や女優、アイドルなどの人物名で作られており、好きな芸能人が決まっている人に適している。「ジャンルパック」は、ドラマやドキュメンタリーなど番組ジャンルに沿ったもの。「ランキングパック」は「地上アニメ/特撮トップ50」のようにレグザユーザーの録画予約ランキングなどから生成するという。
さらにユニークなのは、東芝社内で独自にキュレートしている「キュレーションパック」と呼ばれるものだ。片岡氏によると、パックは「ある特定の嗜好を表す塊」であり、とくにキュレーションパックは従来のキーワード登録などに比べてユーザーの嗜好に合わせやすい。
例えば、深夜に放送されている大人向けのアニメが見たいとき。アニメで検索すると朝や夕方の時間帯に放送されている子供向けのアニメもリストアップされてしまうが、“おすすめ大人アニメ”パックを導入すれば興味のあるアニメだけを自動で検索してくれる。さらに「おすすめSFアニメドラマ」や「おまかせ録画コミュニティ」時代から継承した「つやつやアニメ」、「女性向けアニメ」「ファンタジーアニメ」「魔法少女アニメ」「ギャグアニメ」など、よりターゲットを絞ったパックも用意。アニメだけで20以上のキュレーションパックがあるという。ちなみにアニメ分野のキュレーションを担当しているのは片岡氏自身で、ドラマ担当の女性社員と2人でメインのキュレーターを務めているそうだ。
片岡氏によると、最も悩むのは放送が開始される前のアニメを「どのパックに入れるか」判断すること。そのために原作をあたるのはもちろん、アニメの監督やキャラクターデザイン、あるいは関連商品を扱う通販サイトのユーザーレビュー欄など、考え得る情報源を片っ端から参照する。「例えば日常系学園モノのように見えて実はホラーだったりするもあるので大変です。それはちゃんとホラーに分類しましたけど」と笑う片岡氏。アニメをシーズンごとにチェックしている人なら事前にネットで情報を探した経験があるだろうが、キュレーションパックはそうした手間と時間を肩代わりしてくれるのだ。
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