そろそろ終電が気になる時間帯に入ったが、次に動作音を計測してみよう。ところが取材班は大きな壁にぶち当たった。店内は昼間と同様にデモ機や機能説明用のディスプレイが動いており、決して静かとはいえない。照明と連動しているため、すべての電源を切るわけにもいかない。困ったわれわれはA氏と相談し、本来は「関係者以外立ち入り禁止」のバックヤードに入れてもらうことになった。見たことのない場所に少しワクワクしながら後に付いていくと……。
A氏の見立ては正しかった。店内と厚い扉で隔てられたバックヤードには外部の騒音がまったく入ってこない。騒音計で計測した暗騒音(機材を動かす前のベースとなる騒音レベル)は30.1dB。普段、検証に使っている自宅は33dB前後のため、かなり静かだ。トイレも近くて便利。
今回の測定は扇風機から約50センチ離れ、風が集音部に直接吹き付けない場所で行った。各製品の検証結果は下表の通り。
メーカー/製品名 | バルミューダ「GreenFan Japan」 | |||
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風量モード | 1 | 2 | 3 | 4 |
実測値 | 31.2dB | 32.6dB | 39.2dB | 52.8dB |
メーカー/製品名 | ダイソン「PureCool」 | |||||||||
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風量モード | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
実測値 | 30.9dB | 31.7dB | 34.5dB | 37.1dB | 42.6dB | 46.3dB | 48.8dB | 53.3dB | 56.9dB | 57.1dB |
メーカー/製品名 | シャープ「PF-HTC1」 | ||||||||||
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風量モード | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
実測値 | 31.8dB | 32.0dB | 33.1dB | 34.2dB | 36.4dB | 38.4dB | 41.5dB | 44.3dB | 47.0dB | 53.2dB | 57.5dB |
メーカー/製品名 | 東芝「F-DLT75」 | ||||
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風量モード | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
実測値 | 31.9dB | 34.0dB | 40.3dB | 51.8dB | 55.3dB |
音に対する感覚は人によって異なるが、現場で体験した印象では、32dB前後なら就寝時にも使えるイメージで、40dB台後半になると音が気になり出す。50dB台は近くで使うには少しうるさいと思う。
気になったのは、シャープ「PF-HTC1」の「風量1」があまり風を感じられなかったことだ。ほかの3機種は微風といった趣で就寝時などに使えそうだが、「PF-HTC1」では風量2以上にあげないと涼しくない。これはむしろ、プラズマクラスターイオンだけを活用したいときに役立つモードかもしれない。
もう1つ分かったのは、ダイソン「PureCool」も他社製品とあまり変わらないレンジに収まっていたこと。同社製品は「音が大きい」と言われることも多いが、それは過去のイメージ。最近の同社製扇風機は音に関する多くの改善を加えており、今回の横並び比較でその進歩が視角化できたと思う。
しかし、音だけで製品の評価はできない。たとえ音が大きいモードでも、風を送り出す力も強ければ、サーキュレーター用途など役に立つ場面が多いだろう。最後に風をどこまで遠くに届けられるのかをチェックした。
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